斑く(読み)モドロク

デジタル大辞泉 「斑く」の意味・読み・例文・類語

もどろ・く【斑く】

[動カ四]
まだらになる。入り乱れる。まぎれる。
「あまりなることは目も―・く心地なむし給ひける」〈大鏡・道長上〉
船などがもたもたして進まなくなる。
「もろこしの玉積む舟の―・けば思ひ定めむ方もおぼえず」〈顕輔集
[動カ下二]入れ墨をする。
男女並びにかみげ身を―・けて」〈景行紀〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「斑く」の意味・読み・例文・類語

もどろ・く【斑】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 カ行四段活用 〙
    1. まだらになる。
    2. まぎれ乱れる。
      1. [初出の実例]「我をはからしめんとて、もどろかしむるにはあらずや」(出典:宇津保物語(970‐999頃)藤原の君)
    3. 舟がためらって進まなくなる。
      1. [初出の実例]「諸越のたまつむ舟のもどろけば思ひ定めん方もおぼえず」(出典:顕輔集(1155頃))
    4. だれる。だらける。元気がなくなる。
      1. [初出の実例]「身懶(モトロク)ときに心も亦た随ひて懶くがごとき」(出典:東大寺本大般涅槃経平安後期点(1050頃)二四)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 カ行下二段活用 〙もどろける(斑)

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