新(旧町名)(読み)しん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「新(旧町名)」の意味・わかりやすい解説

新(旧町名)
しん

群馬県南部、多野郡(たのぐん)東端にあった旧町名(新町(まち))。現在は高崎市(たかさきし)の南東部に藤岡市(ふじおかし)をはさんで飛び地として位置する。旧新町は1889年(明治22)町制施行。2006年(平成18)高崎市に編入。商工業都市で、JR高崎線および国道17号が通じる。近くに関越(かんえつ)自動車道と上信越自動車道が接続する藤岡ジャンクションがある。旧中山道(なかせんどう)の宿場町であったが、1877年(明治10)内務省勧業寮屑糸(くずいと)紡績所が開設され、ドイツ人、スイス人指導のもとに動力機による絹糸紡績業が発足した。これが旧町の特色で、1887年民営に移り、1911年(明治44)鐘淵紡績会社(かねがふちぼうせきがいしゃ)となったが、1975年(昭和50)絹紡を休止、カネボウ食品会社(現、クラシエフーズ)新町工場と改称した。このほか、電気機器、金属などの工場があり、陸上自衛隊の新町駐屯司令地、上武大学もあって、都市化が進みつつある。旧新町は群馬県市町村中最小の面積(3.74平方キロメートル)で、最大の人口密度(1平方キロメートル当り3359人)をもった。なお、戦国末期、滝川軍と北条軍が激突した地で、神流川(かんながわ)古戦場跡碑や合戦首塚がある。

[村木定雄]

『『新町町誌』(1989・新町)』

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