新田宿(読み)しんでんしゆく

日本歴史地名大系 「新田宿」の解説

新田宿
しんでんしゆく

[現在地名]いわき市渡辺町田部

南の渡部わたなべ村と北の初田はつた村は村境で鉤形に折れながら一続きの街村をなし、両村で合宿をなし、新田宿とよばれた。初田村で月の前半、渡部村で月の後半を勤めた。街並は角寿・はま屋・まつ屋・久保木屋・井桁屋などの屋号をもつ旅籠が軒を並べ、「銭二百文、泊りはたご」であったという(いわき市史)。宿の南側は新田坂(米坂)とよばれる急坂で、勿来なこそ切通しと並ぶ浜街道の難所であったという。文化一四年(一八一七)の人馬賃銭割増(福島県史)によれば、新田宿は一〇年間の人馬賃銭割増を願ったが、二年間だけ三割増が認められた。それによれば、植田うえだ村まで一里二八町で、本馬八七文・軽尻五七文・人足四四文、湯本ゆもと村まで一里二八町で、本馬八七文・軽尻五七文・人足四四文、船尾ふなお村まで一里二〇町で、本馬六八文・軽尻四四文・人足三四文、泉村まで三〇町で本馬四七文・軽尻三一文・人足二三文、上遠野かとおの村まで三里半で、本馬一七六文・軽尻一一八文・人足八七文とされた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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