新美卯一郎（読み）ニイミ ウイチロウ

20世紀日本人名事典

新美 卯一郎
ニイミ ウイチロウ

明治期の社会主義者,ジャーナリスト

生年

明治12(1879)年1月12日

没年

明治44(1911)年1月24日

出生地

熊本県飽託郡大江村(現・熊本市)

別名

筆名=江滸

学歴〔年〕

早稲田専門学校(現・早稲田大学)中退

経歴

「鎮西日報」「熊本毎日新聞」の記者などをし、明治40年松尾卯一太とともに「熊本評論」を創刊。土地復権同志会の宮崎民蔵らの文章を載せたりして、筆禍事件を起こし、罰金刑を受けたりした。明治43年の大逆事件に連坐し、処刑された。

出典　日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」（2004年刊）

朝日日本歴史人物事典

新美卯一郎

没年：明治44.1.24(1911)
生年：明治12.1.12(1879)
明治時代の熊本の社会主義ジャーナリスト。早稲田専門学校政治科(早稲田大学)で学び,『鎮西日報』や『熊本毎日新聞』などの記者を経て明治40(1907)年6月に社会主義者松尾卯一太と自由を標榜する『熊本評論』を創刊。当時宮崎民蔵の土地復権同志会の会員でその思想的共鳴者であったが,同紙最初の筆禍事件での入獄や幸徳秋水らとの交流のなかで次第に無政府主義に傾斜し,そのことから幸徳らの天皇暗殺計画に加担したという官憲の捏造で大逆罪により処刑された。<参考文献>『熊本評論』(労働運動史研究会編『明治社会主義史料集』別冊2号),上田穰一・岡本宏編著『大逆事件と「熊本評論」』

(岡本宏)

出典　朝日日本歴史人物事典：（株）朝日新聞出版

デジタル版 日本人名大辞典+Plus

新美卯一郎 にいみ-ういちろう

1879－1911　明治時代の社会主義者。
明治12年1月12日生まれ。40年松尾卯一太(ういつた)と「熊本評論」を創刊し,幸徳秋水らの評論をのせる。43年大逆事件に連座し,44年1月24日処刑された。33歳。熊本県出身。早稲田専門学校中退。筆名は江滸(こうこ)。

出典　講談社

367日誕生日大事典

新美 卯一郎 (にいみ ういちろう)

生年月日:1879年1月12日
明治時代の新聞記者;編集者
1911年没

出典　日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」