族長の秋(読み)ゾクチョウノアキ

デジタル大辞泉 「族長の秋」の意味・読み・例文・類語

ぞくちょうのあき〔ゾクチヤウのあき〕【族長の秋】

原題、〈スペインEl otoño del patriarcaガルシア=マルケス長編小説。1975年刊。百年以上にわたり、非情な独裁を敷いた架空の国の独裁者晩年を、時間の流れやエピソードを複雑に絡み合わせながら描く。

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世界大百科事典(旧版)内の族長の秋の言及

【ガルシア・マルケス】より

…33ヵ国語に翻訳され,600万部を売ったというこの物語は,架空の町マコンドを建設したばかりか,その滅亡にも立ち会った奇矯なブエンディーア一族の100年にわたる年代記のかたちを借りて,征服,植民,独立そして激動する現在というラテン・アメリカの歴史を描いた作品である。ロムロ・ガリェゴス賞を受けた72年にカリブ的な幻想に満ちた短編集《純真なエレンディラとその無情な祖母の信じがたい悲惨の物語》で好評を博したガルシア・マルケスは,引き続いて,ラテン・アメリカが生んだ唯一の神話的存在である独裁者の孤独と狂気の物語《族長の秋》(1975)を書いた。上記のほかにも,小説的ルポルタージュとも言うべき《ある遭難者の物語》(1970)や,《予告された殺人の記録》(1980)などがある。…

※「族長の秋」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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