日本小売業協会(読み)にほんこうりぎょうきょうかい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「日本小売業協会」の意味・わかりやすい解説

日本小売業協会
にほんこうりぎょうきょうかい

百貨店スーパーマーケット、コンビニエンス・ストアなど小売業ほか飲食店、卸売業、サービス業などの経営者の全国団体。英語名称はJapan Retailers Association。商工会議所を中心に、日本百貨店協会や日本チェーンストア協会などが発起人となり、1978年(昭和53)5月に設立された。2012年(平成24)3月末時点の会員数は約400。事務局は東京都千代田区丸の内。「小売業の健全な発展をめざし、国民生活に寄与することを目的」とするとうたっているが、発足当初は、政府・自民党内で導入機運が醸成されつつあった消費税(一般消費税、大型間接税、付加価値税)に反対するため、業種規模大小を超えて小売業者が大同団結した組織であった。このため1978年から1986年までほぼ毎年、消費税導入反対の意見書を歳出削減や行財政改革断行の提言とともに、政府や各政党に提出していた。消費税導入後は大店立地法の指針運用への要望(1999)、パート労働者への社会保険適用拡大反対(2007、2011)などの決議や要望を政府に提出している。また1983年から2年ごとに、日本でアジア小売業者大会(2007年からアジア太平洋小売業者大会)を開催し、人口減少が進む日本の小売業にとって有望市場であるアジア地域との関係強化に努めている。初代会長は、日本商工会議所会頭の永野重雄(ながのしげお)(1900―1984)。以降、会長職は百貨店やスーパー、コンビニ業界のトップが務めている。協会内には税制委員会、企業経営委員会、国際委員会のほか、大震災発生時の事業継承について研究する倫理教育委員会や、小売業の有力進出先であるアセアン新興国研究会などがある。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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