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百貨店 ひゃっかてんdepartment store

翻訳|department store

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

百貨店
ひゃっかてん
department store

デパートと略称される。日常生活品を中心に多種類の商品を取扱い,販売促進,サービス向上,会計の合理化などの目的で,経営組織を部門化し,それらが一企業体として総合的に運営されている大規模な小売店。歴史的には 1852年パリで設立されたボン・マルシェが最初で,日本では 1904年に発足した三越呉服店 (三越の前身で,越後屋が改名したもの) が初めである。高度経済成長に伴う消費構造の激変デパート間の競争激化などによって,(1) 店舗の大型化,(2) 多店舗化,(3) 商品の高級化などが積極的に進められた。

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デジタル大辞泉の解説

ひゃっか‐てん〔ヒヤククワ‐〕【百貨店】

デパート

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百科事典マイペディアの解説

百貨店【ひゃっかてん】

英語のデパートメント・ストアdepartment storeを略してデパートとも。同一経営のもとに同一店舗内で多種類の商品を部門別組織により販売する集中的大規模経営の小売商またはその店舗。
→関連項目勧工場ショッピング・モールゼネラル・マーチャンダイズ・ストア大規模小売店舗法デパート松坂屋[株]ワンストップ・ショッピング

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流通用語辞典の解説

百貨店【department store】

衣食住の生活全般にわたる商品を揃え、対面販売によってグレードの高い商品を販売する大型店。昭和40年代前半までは、物販だけでなく文化的催事の開催などを通じて小売業の王座にあった百貨店であるが、40年代後半からのセルフ・サービス方式を採用した量販店の急成長によって、その地位は大きく揺らいできており、今日では復権をめざしたリニュアルが進められている。また百貨店の種類は、その立地特性によって、都心の盛り場に立地する都心型百貨店、私鉄ターミナル駅に立地するターミナル型百貨店、郊外のショッピング・センターなどの核店舗として出店する郊外型百貨店に分類されるが、最近では郊外型百貨店が多くなってきている。

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世界大百科事典 第2版の解説

ひゃっかてん【百貨店 department store】

19世紀中葉のフランスアメリカイギリスドイツなど西欧先進諸国で成立した世界最初の近代的な小売企業形態。英語を略してデパートと呼ぶことも多い。フランスでは1852年にパリに出現したボン・マルシェBon Marché,アメリカでは58年にニューヨークに開設されたメーシーMacy,イギリスでは63年のホワイトリーWhiteley,ドイツでは70年のウェルトハイムWertheimが,それぞれの国での最初の百貨店といわれる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

百貨店
ひゃっかてん
department store

直訳すれば「部門商店」となるが、これはアメリカでは部門別組織を重視したための用語である。フランスでは規模の大きいことを重視してgrand magasin(大規模館の意)と称している。ドイツではWarenhaus(商品館の意)と称しており、日本でいう百貨店(なんでもそろっている店の意)の意味に近い。日本では英語を略してデパートともいう。[伊藤公一]

定義

経済的定義、法的定義、統計上の定義、の三つに大別される。
〔1〕経済的定義 企業としては次の五つの特徴をもつ小売企業である。(1)販売商品が衣食住にわたり多種多様で、(2)対面販売による接客サービスを中心に配送、掛売りなどの各種サービスを提供し、(3)独立採算制をとる部門別組織を備え、(4)賃貸売場の単なる集合体ではなく、単一資本による統一性をもっており、(5)売場面積は大きく、従業員数も多い。2007年(平成19)の「商業統計」では、1店舗当りの平均売場面積は2万3630平方メートル、従業員数は1224人となっている。
〔2〕法的定義 かつては1956年(昭和31)に制定された百貨店法(第二次)に明記されていたが、1973年の同法の廃止とともに法律文のうえでの定義はなくなった。百貨店法は、企業としての百貨店を次のように規定していた。すなわち「物品販売業であって、これを営むための店舗のうちに、同一の店舗で床面積の合計が1500平方メートル(都の特別区およびその他政令指定都市の区域内では3000平方メートル)以上のものを含むもの」(2条)である。現在の日本百貨店協会の会員資格もほぼ百貨店法の規定と同じである。
〔3〕統計上の定義 1947年制定の旧統計法に基づいて規定されていた「指定統計」における定義には、重要なものが二つあった。一つは百貨店販売統計(指定統計第34号)の、「百貨店とは、衣食住に関する各種商品を小売する店舗で、その従業員数が50人以上のもの」(百貨店販売統計調査規則、通産省令昭和25年)という規定である。これは、店舗(事業所)としての百貨店の定義である。もう一つは商業の基本統計である商業統計(指定統計第23号)が依拠していた日本標準産業分類上の「百貨店」の定義である。この規定も百貨店販売統計の定義と実質的に同じであった。
 以上の法的・統計上の定義では、販売方式が定義の基準に用いられないから、総合スーパーも百貨店に含まれてしまう。経済的定義の(通念に合致した)百貨店を統計のうえで把握する必要から、指定統計の調査結果の公表にはくふうが施された。1974年以降、百貨店販売統計は、廃止された百貨店法の規定が適用される店舗分の集計を「百貨店販売統計」として発表し、これに非適用店舗分を集計したものを別に「大型小売店販売統計」として発表した。また「商業統計」のほうも、1982年からは日本標準産業分類上の百貨店を四つの業態に区分(大型百貨店、その他の百貨店、大型総合スーパー、中型総合スーパー)した統計結果を「商業統計」業態別統計編として発表するようになった。その後、2002年に日本標準産業分類が改定されて、旧来の「百貨店」は「百貨店・総合スーパー」と格付けされた。それによると、百貨店の業態とは、(1)取扱品目が衣食住にわたり、それぞれが小売販売額の10%以上70%未満で、(2)従業者数50人以上、(3)セルフ方式をとらないもので、(4)売場面積3000平方メートル以上(都の特別区および政令指定都市は6000平方メートル以上)を「大型百貨店」、(5)売場面積3000平方メートル未満(同6000平方メートル未満)を「その他の百貨店」、としている。「商業統計」も日本標準産業分類に準拠して、同じように「百貨店」を定義している。[伊藤公一]

発展史


欧米
1852年のパリでA・ブーシコによるボン・マルシェBon Marchの設立が百貨店の創始といわれている。設立者の新しい商法は、(1)顧客の出入り自由、(2)正札販売、(3)商品の大量陳列、(4)返品自由、(5)低価格販売、をねらった低差益・高回転の商法であり、当時の商取引慣習からみれば革新的商法であった。新商法は他のヨーロッパ大陸諸国に波及し、さらには海を越えてイギリス、アメリカにも及んだ。アメリカではメーシーMacyが1858年に、イギリスではホワイトレーWhiteleyが1863年に、ドイツではウェルトハイムWertheimが1870年に、それぞれ最初の百貨店として開設された。その後欧米諸国で相次いで開設され、1890年代に飛躍的発展を遂げて、小売業界における初めてのビッグ・ビジネスになった。その黄金時代は1910年代まで続いた。発展を支え、促した要因は、(1)人口の都市集中が進み、購買力が都市に集中したこと、(2)交通・通信機関が発達し、とくに後者が広告の効果を高めたこと、(3)工業化が進み大量生産体制が発展するにつれ、強大な販売機関が要請されたこと、(4)株式会社制度と銀行資本が発達し、巨大な土地・建物への資本投下と商品の大量仕入れに要する資金調達が可能となったことである。
 百貨店の発達が鈍り始めたのは1930年代からである。百貨店がもっとも発展したアメリカではチェーン・ストアの台頭が著しく、百貨店に追い付き、追い越すまでになっていた。シアーズ・ローバック、セーフウェー、JCペニー、ウールワース(現フットロッカー)などがその例である。第二次世界大戦後、百貨店はさらに苦難の道をたどった。アメリカでは大都市の交通混雑、人口の郊外分散とそれがもたらす都心部の停滞と機能低下、新しい小売業態の出現(ディスカウント・ストアのチェーン)などである。ヨーロッパ各国でもアメリカと同様の状況で、とくにアメリカから商業技術を導入したスーパーマーケット、ディスカウント・ストアが戦後急速に発展をみたのが特徴的であった。百貨店は活路を求めて、1950年代から1960年代にかけて新しい戦略を開始した。(1)都心部再開発に協力しつつ自らをいっそう高級化する(プレステッジ・ストア化)、(2)郊外への支店設置(チェーン化)、とくにショッピング・センターに核店舗として進出する、(3)合併・多角化戦略、であった。[伊藤公一]
日本
現在の百貨店の多くは江戸時代の呉服商をルーツとする。百貨店化に最初に踏み出したのは1904年(明治37)に株式会社となった三越(みつこし)呉服店であり、大丸、高島屋、松坂屋など有名呉服商の多くが相次いで百貨店化した。関東大震災(1923)を契機に百貨店は日用品販売を開始し、昭和に入ってからは大都市の新興中産階級をも対象とする大衆化路線を進める。新たに電鉄系百貨店もおこり、1930年(昭和5)ごろまでは百貨店の黄金時代であった。しかし昭和恐慌期(1930~1932)には百貨店間競争の激化と、中小小売商との摩擦が広がり、1937年制定の百貨店法(第一次)により、百貨店の営業活動に法的統制が加えられるに至った。第二次世界大戦後、生産力回復、消費物資の統制解除、接収解除を経て、百貨店が戦前水準を回復しえたのは1950年代後半であった。百貨店の復興に伴い、昭和初期と同様、中小小売商との対立が生じ、1956年ふたたび百貨店法が制定されたが、法規制にもかかわらず百貨店は巨大店舗建設、支店開設を競った。しかし、1960年代に入って百貨店は退潮の兆しをみせ始める。新興のスーパーと専門店が急成長し、小売業界における百貨店の地位は相対的に低下していったのである。こうした状況下に中央の百貨店は郊外店づくり、地方都市への進出、地方百貨店の系列化・グループ化を進め、百貨店は再編されて、五大グループ(三越、高島屋、大丸・松坂屋、西武、伊勢丹(いせたん)・松屋)に分かれ、グループ間競争の時代に入った。
 1980年代後半のバブル経済とともに成長を続けていた百貨店は、バブル経済崩壊後の不況と他の小売業態との競争激化で、長期低迷期に入った。売上高(日本百貨店協会、店舗調整済)は、1992年(平成4)から1999年まで、1996年を除き前年実績を下回り、ピーク時の1991年と比べて2009年のそれは約4割の減少となった。店舗数も1999年の311店舗から2009年末には271店舗に減少した。一方、経営統合も相次ぎ、大丸と松坂屋、西武とそごう、三越と伊勢丹が経営統合するに至った。[伊藤公一]

営業政策

(1)営業組織 百貨店の革新性の一つは部門別管理の手法であった。多数でかつ複雑多岐な性格をもつ商品を全体的・平均的に管理するのではなく、部門別・個別的に管理することである。やがて百貨店は支店網を形成するにつれ、またチェーン・ストアの興隆を目の当たりにして、チェーン・ストアの原理も採用するに至る。すなわち、営業部門の基本組織は、仕入れ部門と販売部門にまず大別し、仕入れ、販売両部門をさらに商品別・売場別に分けるといった複雑な組織を形成している。責任権限面からみると、仕入れ部門は、全店舗にわたって自ら担当する商品別・売場別の販売高と差益高に責任をもち、販売部門は、自ら担当する一店舗の商品別・売場別の販売高に責任をもち、両者が協業する関係にある。
(2)仕入れ政策 多種商品を仕入れる関係から、一つ一つの商品をとってみると大量仕入れとはいえないし、品ぞろえを豊富にする必要からも問屋を仕入れ先としている。しかし、単なる仕入れ先にとどまらず、問屋に商品企画や販売員、販売リスクまで負わせている。これが百貨店の商品企画力の喪失、非近代的取引(手伝い店員、返品、委託仕入れ)として問題視される点である。
(3)販売政策 店頭による対面販売方式が伝統的に主流となっている。店外販売としては外商が中心であるが、出張販売は百貨店法(第一次)の第4条で厳しく規制されていた。百貨店法廃止後はこの規制がなくなり、現在は「店外催事」などとよばれて、特定顧客を高級ホテル等に招いて販売が行われている。「現金、掛け値なし(正札販売)」が伝統的な販売条件になっているが、消費者信用制度の発達に伴い、クレジット販売の比率が上昇しつつある。[伊藤公一]
『小山周三著『現代の百貨店』(1997・日本経済新聞社) ▽初田亨著『百貨店の誕生』(1999・筑摩書房) ▽末田智樹著『日本百貨店業成立史――企業家の革新と経営組織の確立』(2010・ミネルヴァ書房)』

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世界大百科事典内の百貨店の言及

【キッチュ】より

… 〈キッチュ〉という言葉は,南ドイツで使われていた言葉(たとえば〈低俗化する〉を意味するフェアキッチェンverkitschenなど)に由来し,1860年ころミュンヘンで,初めて近代的な意味で使われるようになった。すなわち,ブルジョア社会の宮殿ともいうべき百貨店の黄金時代に,そこで売られる品物の美的性質を言い表す言葉になったのである。以来,キッチュと呼ばれる物,現象に対する各時代の態度は,その時代の文化の性向を示している。…

【ボン・マルシェ[会社]】より

…フランスの大手百貨店。本店パリ。…

【三越[株]】より

…日本の代表的な百貨店。近代的な百貨店の草分けでもある。…

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