日本大百科全書(ニッポニカ) 「日本自動車研究所」の意味・わかりやすい解説
日本自動車研究所
にほんじどうしゃけんきゅうしょ
日本の自動車・交通関連技術の研究、普及、促進を目ざして活動し、試験の受託などを行う一般財団法人。特定の団体、組織に属さず、中立的、公益的な活動を行う。英語の名称はJapan Automobile Research Instituteで、略称JARI(ジャリ)。東京都港区に2か所の事務所、茨城県つくば市に研究所、茨城県城里(しろさと)町にテストセンターを置く。
1961年(昭和36)、財団法人自動車高速試験場として設立された。当時、各自動車メーカーは高速周回路やスキッドパッド(旋回性能を試験するための円形または矩形(くけい)の平坦な試験路)などの建設を始めたころであったが、その後高性能な試験路や風洞実験室、環境試験室が必要となってきた。しかしこれらには膨大(ぼうだい)な投資が必要であったことから、各メーカーが共同で使用できる実験・試験施設の建設が望まれた。それにこたえる総合的な試験施設を備える組織として、1969年に財団法人日本自動車研究所へと改組された。当初、つくば市(当時は茨城県谷田部(やたべ)町)にあった高速周回路は、通称「谷田部テストコース」とよばれ、自動車メーカーだけでなく、自動車雑誌によるテストなどにも使用された。2005年(平成17)には茨城県城里町にテストセンターを新設し、移設した。
[編集部]