昏々(読み)こんこん

精選版 日本国語大辞典 「昏々」の意味・読み・例文・類語

こん‐こん【昏昏・惛惛】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用タリ 〙
  2. 暗いさま。また、道理にくらいさま。おろかなさま。〔日葡辞書(1603‐04)〕〔孟子‐尽心下〕
  3. 乱れるさま。混乱するさま。
    1. [初出の実例]「甲興りて倒れ丙散じ丁集まり、昏々粉々相乱れて其常形を見るなく」(出典:日本開化小史(1877‐82)〈田口卯吉〉三)
    2. [その他の文献]〔広雅‐釈訓〕
  4. 意識のはっきりしないさま。ぼんやりしているさま。うつらうつら。
    1. [初出の実例]「詩賦工無益、経綸豈足論、不来飲一レ酒、混俗酔昏昏」(出典:詩聖堂詩集‐二編(1828)九・不如来飲酒傚楽天体)
    2. 「忽ち精神を奪ひ取られ、昏々(コンコン)としてさながら酒に酔へるに異ならず」(出典:花間鶯(1887‐88)〈末広鉄腸〉上)
    3. [その他の文献]〔白居易‐倣陶潜体十六詩・其一二〕
  5. よく眠るさま。深く眠っているさま。
    1. [初出の実例]「睡眼昏々打不開、烏藤六十響如雷」(出典:南游集(1364頃)辞鳳台和尚)
    2. 「庄兵衛何も彼も知らず昏々(コンコン)と睡りに睡りて」(出典:いさなとり(1891)〈幸田露伴二五)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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