精選版 日本国語大辞典 「田口卯吉」の意味・読み・例文・類語
たぐち‐うきち【田口卯吉】
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明治期の経済学者、史論家、法学博士。出版などの経営も行う。安政(あんせい)2年4月29日、江戸目白台の徒士(かち)屋敷で生まれる。卯年卯月の生まれにちなんで名づけられた。名は鉉(みつ)、字(あざな)は子玉(しぎょく)、号を鼎軒(ていけん)という。姉に鐙子(とうこ)(1848―1886。明治女学校校長木村熊二(1845―1927)に嫁す)がある。維新に際しては徳川家に従って静岡の沼津に移り、1871年(明治4)上京、大蔵省に出仕、翻訳局などに勤める。1877年には『日本開化小史』全6巻の刊行を開始(1882年完成)、1878年には『自由交易日本経済論』をまとめ、1879年には『東京経済雑誌』を発行(初め月刊、のち月2回刊、旬刊、週刊となる)して、経済雑誌社をおこす。ここを中心に、さらに『支那開化小史(しなかいかしょうし)』『大日本人名辞書』『日本開化之性質』『日本社会事彙(じい)』を刊行、一方、歴史研究の個人雑誌『史海』(1891年5月発刊、1896年廃刊)も刊行し、久米邦武(くめくにたけ)の祭天古俗論に賛成する。『群書類従』『続群書類従』の出版に努め、さらに日本史研究の基本史料として『国史大系』『続国史大系』を編纂(へんさん)・刊行し、歴史研究の先駆、啓蒙(けいもう)的史論の中心となった。新聞・雑誌においては、イギリスのコブデン、スミス、リカードを尊敬するとして、経済自由論の立場から、政府の経済政策に対する批判を展開。他方、実際活動の面でも東京府会議員、衆議院議員などに当選し、とくに南洋諸島進出に関心を示した。明治38年4月13日、慢性萎縮腎(いしゅくじん)と中耳炎のために死去。谷中(やなか)墓地に葬られる。
[松島榮一 2016年9月16日]
『『鼎軒田口卯吉全集』全8巻(1927~1929・大島秀雄/複製版・1990・吉川弘文館)』▽『大久保利謙編『明治文学全集14 田口鼎軒集』(1977・筑摩書房)』
(有山輝雄)
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1855.4.29~1905.4.13
明治期の経済学者・歴史家。幕府徒(かち)の子として江戸に生まれる。名は鉉(みつ),鼎軒(ていけん)と号す。卯吉は通称。維新後大蔵省翻訳局で経済学を学ぶ。1877年(明治10)から「日本開化小史」を刊行。79年「東京経済雑誌」を刊行,自由主義経済の立場から自由貿易を主張し,犬養毅(いぬかいつよし)の主宰する「東海経済新報」の保護貿易主義と論争した。また「群書類従」「国史大系」などを刊行し,歴史学にも貢献した。実業界でも両毛鉄道の経営,東京株式取引所などに関係。東京府会議員・東京市会議員をへて94年衆議院議員に当選,終生その職にあり,反藩閥・中立の立場を貫いた。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
出典 旺文社日本史事典 三訂版旺文社日本史事典 三訂版について 情報
…明治以前の日本史を理解するために必要な史籍の叢書。啓蒙史家のひとり田口鼎軒(卯吉)編。17巻。1897‐1901年刊。次いで《続国史大系》15巻を刊行した(1902‐04)。《古事記》《日本書紀》から《徳川実紀》までを収録。国史の大きな系(たていと)にしたいという意気込みで,新造語〈大系〉を書名につけた。田口は,予約募集当初,通行本を翻刻しただけの簡便な出版を考えていたが,大学を卒業したばかりの黒板勝美の意見を入れ,厳密な校訂を施すことにし,その実務を黒板にあたらせた。…
…これに対抗して,自由党が新たに日刊新聞として発行したのが,《自由新聞》である。株式会社組織として同志から資金を募集し,編集・発行には社長の板垣退助以下馬場辰猪,中江兆民,田口卯吉,末広鉄腸(重恭)など自由党の有力活動家,理論家が当たった。藩閥政府や政商,改進党などを攻撃し,自由民権運動を鼓吹する紙面づくりで自由党の支持者に広く読まれた。…
…明治・大正期の経済雑誌。1879年に自由主義経済学を信奉する田口卯吉が創刊,死去するまで主宰した。内外の経済情報や経済問題の論説を掲載したほか,政治・社会問題にも鋭い分析を行った。…
…田口卯吉著。和装本6巻。…
※「田口卯吉」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報
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