最しも(読み)いとしも

精選版 日本国語大辞典 「最しも」の意味・読み・例文・類語

いと【最】 しも

  1. ( 副詞「いと」に強意副助詞「しも」が付いたもの )
  2. 非常に。とても。
    1. [初出の実例]「ことにいとしも物のかたがた云たる人はかたし」(出典:紫式部日記(1010頃か)消息文)
  3. ( 下に否定の語を伴って ) そんなに。たいして。
    1. [初出の実例]「いとしもおぼえぬ人の、おしおこしてせめて物いふこそ」(出典:枕草子(10C終)二五)

最しもの語誌

( 1 )肯定表現を修飾する例はごく稀で、否定表現との呼応が一般的である。→いとしもなし
( 2 )「いと」は形容詞性の語を修飾するのが本来的用法であるが、この「いとしも」は形容詞を修飾する例はごく稀で、「しも」がついたことにより語の性質が変化したといえよう。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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