月草の(読み)ツキクサノ

デジタル大辞泉 「月草の」の意味・読み・例文・類語

つきくさ‐の【月草の】

[枕]ツユクサの花で染めたものは色があせやすいところから、「うつる」「かり」「ぬ」にかかる。
ももに人は言ふとも―うつろふ心我持ためやも」〈・三〇五九〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「月草の」の意味・読み・例文・類語

つきくさ‐の【月草の・鴨頭草の】

  1. 月草染料として染めた色は、さめやすく他に移りやすいところから、「移ろう」「移る」にかかる。
    1. [初出の実例]「月草之(つきくさの)うつろひやすく思へかも我が思ふ人の言(こと)も告げ来ぬ」(出典万葉集(8C後)四・五八三)
  2. ( から転じて ) 「うつし心」にかかる。
    1. [初出の実例]「いで人は言のみぞよき月草のうつし心は色ことにして〈よみ人しらず〉」(出典:古今和歌集(905‐914)恋四・七一一)
  3. 月草の花がしぼみやすく、はかないところから「消ゆ」「かり(仮)」にかかる。
    1. [初出の実例]「朝咲き夕は消ぬる鴨頭草乃(つきくさノ)消ぬべき恋も吾れはするかも」(出典:万葉集(8C後)一〇・二二九一)

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