有にもあられず(読み)あるにもあられず

精選版 日本国語大辞典 「有にもあられず」の意味・読み・例文・類語

ある【有】 にも あられず

(「れ」は可能を表わす助動詞「る(れる)」の未然形)
① (不都合なことなどがあって)いるにもいられない。住んでいたくても住んでいられない。
※浮世草子・万の文反古(1696)三「あるにもあられず家屋敷を売払ひ」
② (気持がじりじりして)いても立ってもいられない。そのままじっとしていようとしてもいられない。
御伽草子・かざしの姫君(室町末)「いま一たびことの葉をかわさせ給へとて、あるにあられぬ御ありさま」
琵琶伝(1896)〈泉鏡花〉三「あとは途ぎれてことばなきに、お通はあるにもあられぬ思ひ」
③ 生きていこうとしても生きていられない。
不言不語(1895)〈尾崎紅葉〉一三「我は人の命一つ助けずば、在るにもあられぬ身の上なれば」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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