有れる(読み)あられる

精選版 日本国語大辞典 「有れる」の意味・読み・例文・類語

あら【有】 れる

(「れる」は受身、可能、尊敬助動詞文語形は「あらる」)
① 居ることができる。住んでいられる。
山家集(12C後)下「あしよしを思ひわくこそ苦しけれ只あらざればあられける身を」
② (打消を伴って用いる) 似合わしい。
※歌舞伎・名歌徳三舛玉垣(1801)四立「巫子(みこ)にあられぬ業ながら、相手に成って見しゃうかいのふ」
③ あることができる。
福翁自伝(1899)〈福沢諭吉王政維新「藩の制度は〈略〉其間に少しも融通があられない」
④ 「ある」「いる」の意の尊敬語。いらっしゃる。おられる。
※寄合ばなし(1874)〈榊原伊祐〉初「其様な先生があられるので困る」
[補注]「義血侠血〈泉鏡花〉九」の「那麼様(あんな)事が毎日有(ア)られて耐るものか」などの例のように、口語では「ある」と同じような意にも用いられる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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