ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「有性現象」の意味・わかりやすい解説 有性現象ゆうせいげんしょうsexuality 生物界において有性生殖が行われること。典型的なものとしては,通常の体細胞に対して,配偶子と称する特定の細胞を生じ,これが合体し核融合が行われることによって有性生殖は遂行される。この場合,配偶子が運動性を有するもの (運動性配偶子接合) planogametogamy,運動性のないもの aplanogametogamy,配偶子の大きさの等しいもの (同型配偶子接合) isogametogamy,大小の差異あるもの anisogametogamyなどいろいろの段階がみられ,配偶子が同形同大のときは有性生殖は明らかでないが,最も分化した形のものは,小型で運動性を有する精子と,大型で運動性を欠く卵子とが接合する,いわゆる卵子接合である。それらにおいて,配偶子形成器官ひいてはその器官をもつ個体に変化を生じ,器官および個体に雌性,雄性の別があることも高等生物では普通の現象である。なお,sexualityには雌雄性の訳語もあてられるが,その際にはこうした雌雄の個体の差異をさす。細菌類などにおいても,配偶子形成はみられないが,これに代る有性現象が行われることが明らかにされつつある。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by