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精子 せいし spermatozoa

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

精子
せいし
spermatozoa

雄性生物の成熟した生殖細胞。ヒトの精子は,頭部と中心体をもつ頸部,運動用の尾部に分れ,長さは平均 60μm程度。精液はアルカリ性で,1ml中に平均して約 5000万~1億の精子が存在し,尾部を活発に動かして1分間に 3mmぐらい移動できる。

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デジタル大辞泉の解説

せい‐し【精子】

雄性の生殖細胞。形は生物の種類によって異なるが、染色体を含むの頭部、ミトコンドリア・中心小体を含む中片部、運動をする鞭毛の尾部からなり、人間ではおたまじゃくし状。動物のほか、植物ではコケシダイチョウソテツなどにみられる。精虫。

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百科事典マイペディアの解説

精子【せいし】

精虫とも。有性生殖における雄の生殖細胞。多くは鞭毛(べんもう)をもった運動性の細胞で,頭部,中片部,尾部の3部分が区別される。頭部には受精の成立に関係のある先体(リソソームが特殊化したもの)と濃縮された核がある。
→関連項目性(生物)精液精子銀行体外受精配偶子

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栄養・生化学辞典の解説

精子

 雄の生殖細胞.

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家庭医学館の解説

せいし【精子】

 ヒトの精子は、長さ約5μm(マイクロメートル)(1000分の5mm)の西洋ナシ形の頭部と、約55μmの長い尾部からできています。
 頭部は、大部分が細胞の核にあたり、多数の遺伝子情報をもった染色体が入っています。
 尾部は、エネルギーを取り出すはたらきをするミトコンドリアを多く含み、これが精子の運動の原動力となっています。

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世界大百科事典 第2版の解説

せいし【精子 sperm】

同一種の動物または植物において,外形や運動性を異にする2種類以上の配偶子の形成が認められる場合,そのような配偶子を異型配偶子というが,異型配偶子において,外形に大小の区別があるとき,小型のものを精子と呼び,大型のものを卵(卵子)と呼んでいる。典型的な精子は,卵に比較して著しく小型であるのみならず,運動性に富む。また,卵が多量の細胞質物質を有するのに比べ,精子はほとんど細胞質に相当する部分をもたない。

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大辞林 第三版の解説

せいし【精子】

生物の雄の生殖細胞。小形で運動性に富む。大部分の動物の精子は頭部・中片部・尾部からなり、形は種によりさまざま。動物のほか植物の一部(コケ・シダ類・イチョウ・ソテツなど)にもみられる。精虫。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

精子
せいし

多細胞生物の雄性配偶子で、運動性をもつものをいう。精虫ともよぶ。1667年にレーウェンフックによって初めて記載され、当時、精子の中に極微動物が組み込まれていると考える前成説を生じた。[雨宮昭南]

形態と機能

精子の基本的な形態は、受精時における卵への侵入のための機能をもつ部分(先体)、遺伝のための機能をもつ部分(核)、呼吸器官として働く部分(ミトコンドリア)、および運動器官として働く部分(鞭毛(べんもう))からなり、先体および核は頭部を、ミトコンドリアは中片を、鞭毛は尾部を形成する。哺乳(ほにゅう)類の精子などでは、頭部と中片の間がくびれて、頸(けい)部を形成するものも多い。甲殻類の精子のなかには、このような構造をとらずに、三脚型やアメーバ型になるものも知られている。精子は1個の細胞であるが、細胞としてはきわめて特殊化したもので、核がその主要部分を占めており、細胞質の大部分は失われている。先体は、受精時に卵表面物質と反応して先体反応をおこし、先体中に含まれる卵膜溶解物質を放出する。この物質は卵膜を溶かして、精子が卵に侵入するための穴をあける。精子核中には半数体(n)の染色体が含まれ、したがって、DNA(デオキシリボ核酸)の量も体細胞核に含まれるDNA量の半分である。多くの精子では、核内の塩基性タンパク質としてヒストンのかわりにプロタミンを含んでいる。染色体は、精子核中では非常に密な状態で存在しており、電子顕微鏡などを用いて、その存在様式を観察するのはむずかしい。受精時に、卵の中に入った精子核は、卵核と融合することによって、倍数体(2n)の染色体をもつようになる。中片に含まれるミトコンドリアは、精子が運動するためのエネルギーを供給する。精子ミトコンドリアの形態は、ドーナツ形や螺旋(らせん)形をとるものが多い。精子鞭毛は、他の鞭毛や繊毛と同様に9+2の軸糸(円形に配列した9組の軸糸の中央に2本の軸糸がある)としての基本構造をもち、ミトコンドリアを経て供給されるATP(アデノシン三リン酸)のエネルギーを用いて鞭毛運動を行い、精子を動かす。分離した鞭毛を界面活性剤で処理して膜を破壊したあと、ATPを加えれば、分離した状態でも鞭毛運動を行うことが知られている。[雨宮昭南]

精子の形成過程

将来、精子に分化する始原生殖細胞は、発生のかなり早い時期に生じたあとに移動して、別の場所で分化している精巣中に入って精原細胞となる。この精原細胞は有糸分裂によって増殖したのち、分裂をやめて成長し、第1次精母細胞になる。第1次精母細胞は、減数分裂を行って第2次精母細胞となり、さらにもう1回分裂して精細胞になる。この結果、1個の精母細胞から、4個の精細胞が生じることになる。この減数分裂の過程で、染色体数は半減して半数体(n)になっている。精細胞から精子が形成される過程は、精子完成、または精子変態という。この過程で、精細胞中の核は、著しく凝縮して染色体が詰め込まれ、ゴルジ装置から先体が、中心粒から鞭毛が生じ、ミトコンドリアが中片に位置するようになる。その他の細胞質の大部分は放出されて精子が完成する。[雨宮昭南]

精子運動のエネルギー

哺乳類などでは、精漿(せいしょう)(精液から精子を除いた部分)中に含まれる糖から解糖によって精子運動のエネルギーを得るが、水中に放精される海産動物の精子などでは、精子中に含まれるグリコーゲン、リン脂質、硫黄(いおう)を含む脂質であるスルホリピドなどを基質としてATPを生ずる。精子と卵の会合は、一般には無作為におこるとされているが、ある種の精子では、走化性の認められるものもある。[雨宮昭南]

植物の精子

植物の多くは精子をつくらないが、緑藻類、褐藻類、車軸藻類、藍藻(らんそう)類などには精子をつくるものがあり、シダ植物やコケ植物も精子をつくる。種子植物ではイチョウ(平瀬作五郎・1898)、ソテツ(池野成一郎・1898)での精子の発見が有名である。植物精子の形態は種によってさまざまであるが、いずれも運動器官として鞭毛または繊毛をもっている。これらの鞭毛や繊毛の基部には、中心体と相同の器官である毛生体が存在している。[雨宮昭南]

ヒトの精子

精巣(睾丸(こうがん))の精細管上皮から精祖細胞→第1次精母細胞→第2次精母細胞→精子細胞→精子の順に分化してつくられる。この精祖細胞から精子に分化するまで約74日を要するといわれている。ヒトの精子はオタマジャクシ形で、全長がおよそ50~60マイクロメートルの大きさであり、頭部、頸(けい)部(結合部)、体部(中片、中間部)および尾部の四部からなる。頭部は楕円(だえん)球形に近く、頭部実質(核質部)と頭帽(先体)に大別される。精子の頭部先端にある頭帽には卵(らん)の表層を溶解させる酵素が含まれており、受精に重要な役割を演ずる。また、頭部実質は細胞の核よりなり、減数分裂の結果、体細胞の2分の1量のDNAタンパクを有している。精子にはX染色体を有する精子とY染色体を有する精子とがあり、卵にはX染色体しかなく、性の決定権は精子側にある。頸部は頭部に連続する部分で、中心体が存在する。中心体を構成する成分は微小管構造群で、これは中心にある1対の中心微小管とそれらを取り巻く9対の周辺微小管からなり、これらは精子の鞭毛運動に重要な働きをしている。
 精子は、精巣上体(副睾丸)で成熟し、精巣上体の尾部に蓄えられる。性的興奮が高まると、精管の蠕動(ぜんどう)運動によって精管内を速やかに精管膨大部へと送られる。精子は射精されるまでは運動しない。一般に精子は酸に弱いが、弱アルカリ性の環境では活発に運動する。1回の射精量は1~6ccで、1cc中に精子が2000万以上あれば正常である。また、正常形態の精子が50%以上、運動している精子が50%以上あれば正常である(WHO基準)。[白井將文]

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世界大百科事典内の精子の言及

【睾丸】より

…ここではヒトの精巣について述べる。左右1対,陰囊の中にあって,精子を産生,男性ホルモンを分泌する。それぞれソラマメくらいの大きさの扁平な楕円体で,胎生初期には腹腔内にあるが胎生7ヵ月ごろに精管とともに鼠径管(そけいかん)を通って陰囊内へ下降する。…

【コケ植物(苔植物)】より


[生活史]
 明瞭な世代交代を行う。すなわち,配偶子(卵細胞と精子)をつくる有性世代の植物体(配偶体)と胞子をつくる無性世代の植物体(胞子体)とが交互に繰り返される(図2)。われわれが普通に見る緑色の植物体が配偶体であり,胞子体は小さくて目だたず終生配偶体に付着しているので配偶体の一部のように見える。…

【精液】より

…雄の動物が産生し体外に放出する,精子を含んだ液体を一般に精液というが,ヒトでは性交,手淫,夢精などの性的興奮のもとに男性尿道口から射出される液体で,射精液ともいわれる。ただし,死体にみられる精液の漏出は生前の性的興奮を意味するものではない。…

【配偶子】より

…紅藻と他の藻類の一部および多くの菌類の配偶子は雌雄とも鞭毛を欠くので,不動配偶子aplanogameteと呼ばれる。また陸上植物,藻類の一部および動物では,大型の雌性配偶子は鞭毛をもたないので,小型の雄性配偶子は精子と呼ばれる。19世紀末にそれぞれ平瀬作五郎,池野成一郎によって精子が発見されたイチョウとソテツ類以外の裸子植物および被子植物の雄性配偶子は,鞭毛のない精細胞である。…

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