差異（読み）サイ

デジタル大辞泉

さ‐い〔‐イ｜‐ヰ〕【差異／差違】

他のものと異なる点。ものとものの違い。差。「両者の能力になんら―はない」
[類語]違い・相違・異同・誤差・小異・大差・同工異曲・大同小異・別・分かち・格差・落差・開き・隔たり・懸隔・溝・僅差・個人差・不一致・異質・ギャップ

しゃ‐い【^▽差異】

ちがい。さい。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

しゃ‐い【差異・差違ヰ】

1. 〘 名詞 〙 ( 「しゃ」は「差」の呉音 ) 他のものとちがいのあること。また、そのちがい。さい。
   1. [初出の実例]「掠_二上聞_一之条、雲泥万里之差違(シャイ)、何足_レ言」(出典：太平記（１４Ｃ後）一四)

差異の補助注記

漢音でサイとも読んだが、「温故知新書」や「書言字考節用集‐九」などの古辞書では呉音のシャイをあげてあるので、呉音形が一般的だったと思われる。

さ‐い【差異・差違ヰ】

1. 〘 名詞 〙 他のものと異なる点。他のものとのちがい。
   1. [初出の実例]「真と空との差異も見えたぞ」(出典：足利本人天眼目抄（1471‐73）)
   2. 「何処から価格の差違(サヰ)が出るのか見当の付かないのもあった」(出典：こゝろ（1914）〈夏目漱石〉上)
   3. [その他の文献]〔魏志‐斉王紀〕

出典　精選版 日本国語大辞典

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

差異
さい
differentia

ある観点からは同一である事物の間にある，互いにほかから自己を区別する関係，およびある事物がそれをもつことによってもたないものから区別されるところの徴表そのものをいう。この徴表が類概念のなかに種の区別を立てるとき種差という。スコラ哲学では種差に基づく種的差異と同一種内の個物を互いに区別する数的 (個的) 差異を分ける。 (→類と種と種差 )

出典　ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

改訂新版　世界大百科事典

差異 (さい)

→同一性

出典　株式会社平凡社「改訂新版　世界大百科事典」

普及版 字通

【差異】さい

ちがい。

字通「差」の項目を見る。

出典　平凡社「普及版 字通」

世界大百科事典（旧版）内の差異の言及

【同一性】より

…あるものがあるものとして存立しあるいは同定identifyされるとき，そのものは同一性をもつという。同一性は，したがって，一面，あるものがあるものと異なったものでないことをいうものとして，差異differenceないし差異性と対立し，他面，あるものがあるものと異なったものになることがないことをいうものとして，変化と対立する。ここで，同一性―差異，同一性(恒常性)―変化という2組の対立概念は，いずれも，一方を欠いては他方の規定が困難になるような種類のものである。…

※「差異」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」