…小侍所には番帳が備えられ,ここから将軍出御の供奉人や弓始の射手などが選ばれた。小侍の配下には,恪勤(かくご),走衆や朝夕雑色(ちようじやくぞうしき),公人(くにん)雑色などが属して雑役などを務めたと考えられる。義教・義政期に整えられる奉公衆(番方)には小侍番の継承発展という性格が認められる。…
…彼らは御家人とは違って確たる本領をもたぬ者たちであったが,頼朝の身辺に仕えてその信頼は厚く,しばしば御使として機密を要する事に従い,囚人の護送,賓客の護衛,敵情の偵察,合戦の検見や,訴訟事件の調査,御家人の交名(きようみよう)の作成などの要務に当たっている。しかし幕府の官制が整うにつれて雑色の活動分野は狭められ,幕府体制下では,小侍所の指揮下で将軍出御に供奉するほか,朝夕(ちようじやく)雑色は雑色番頭に属して御所内の雑務に当たり,国雑色は召文配布などの雑事を勤めている。室町幕府でも雑色は公人番頭のもとで同様の雑事に当たったが,その衣服料は奉公衆にあて課された。…
…鎌倉幕府には朝夕雑色(ぞうしき)(昼夜雑色),室町幕府には公人(くにん)朝夕の職名があるが,これを略して単に朝夕ともいった。小舎人,小者,雑色などと同格の軽輩で,幕府に仕えて,文字どおり朝から夕まで,書状配達,的(まと)づくり,罪人糺問,道路の清掃などの雑務に携わったところからこの職名がおこった。…
※「朝夕雑色」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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