朝影(読み)アサカゲ

デジタル大辞泉 「朝影」の意味・読み・例文・類語

あさ‐かげ【朝影】

朝日の光。
「―にはるかに見れば山のはに残れる月もうれしかりけり」〈宇津保春日詣
朝、水や鏡などに映った姿。
「―見つつをとめらが手に取り持てるまそ鏡」〈・四一九二〉
《朝日が人影を細長く映すところから》恋のためにやせ細っている人の姿。
「―にあが身はなりぬ韓衣からころもすそのあはずて久しくなれば」〈・二六一九〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「朝影」の意味・読み・例文・類語

あさ‐かげ【朝影】

〘名〙
① 朝、鏡や水に映る顔かたちや姿。
万葉(8C後)一九・四一九二「朝影(あさかげ)見つつ 嬢子(をとめ)らが 手に取り持てる まそ鏡」
② 朝日の光。⇔夕影
※宇津保(970‐999頃)春日詣「あさかげにはるかに見れば山のはに残れる月もうれしかりけり」
③ 朝日によってできる細長く弱々しい影。恋の悩みなどでやせ細った人の姿をたとえていう。
※万葉(8C後)一一・二六六四「夕月夜暁闇(あかときやみ)の朝影(あさかげ)に吾が身はなりぬ汝を思ひかねて」
[補注]③の挙例比喩用法については、「朝日のほのかな弱々しい光のように」と解する説もある。

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