木曾五木(読み)きそごぼく

精選版 日本国語大辞典 「木曾五木」の意味・読み・例文・類語

きそ‐ごぼく【木曾五木】

〘名〙 長野県木曾地方に産する樹木中、近世中期に尾張藩が停止木(ちょうじぎ)として伐採を禁じたヒノキサワラコウヤマキアスナロ(アスヒ)に後にクロベネズコ)を加えた五種の木の総称

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の木曾五木の言及

【アスナロ(翌檜)】より

…日本特産のヒノキ科の常緑高木で,小枝は平たくなり表裏の別ができる(イラスト)。高さ30m,幹は径1mにもなり通直,樹皮は赤褐色で縦に裂け,はげた跡は灰色となる。枝は細いが横に張って卵状円錐形の樹冠をつくる。若枝には鱗片葉が十字対生し,枝の表裏の背腹葉は舌形またはひし形,側方のものは舟形で,ともに長さ4~5mm,裏面の葉は広い気孔帯があって白い。早春,小枝端に開花し,雄花は卵状楕円形で小さい。雌花は扁球形,淡黄緑色で紅みを帯び,4対の果鱗が十字対生し,各片は5または3個の胚珠をもつ。…

【木曾谷】より

…長野県南西部にある木曾川上流の谷。地形的には鳥居峠以南~岐阜県境付近までの木曾川に沿う谷をさすが,歴史的には旧中山道の一部である木曾路の経路をさすことが多い。長さは約60kmに及ぶが,谷の南東には木曾山脈(中央アルプス),北西には飛驒山脈(北アルプス)や御嶽(おんたけ)山などがそびえてV字谷をなし,幅は大部分が数百mと狭い。国道19号線(中山道),JR中央本線などの交通路が貫通しており,木曾福島,上松(あげまつ)など主要集落は旧中山道時代の宿場町から発達したものである。…

【コウヤマキ(高野槙)】より

…長野県南部から近畿地方までと岡山県および広島県西部,四国および宮崎県の北部と中部にやや断続的に分布し,また福島・新潟県境北部に著しい不連続分布がみられる。透水性の良い土壌を好んで各地に純林ができ,とくに木曾ではヒノキ,サワラ,クロベ(ネズコ),アスナロとともに〈木曾五木〉の一つに数えられる。中生代に出現し,第三紀末まではヨーロッパでも分布していたが,それ以後衰退の一途をたどり,現世では日本だけに残ったものである。…

【森林】より

…樹高が少なくとも4~5m以上ある高木が密生し,面積的な広がりをもって地上空間を枝葉で閉鎖したもの。個々の樹木の枝葉が空間を立体的に占有している部分を樹冠crownといい,森林ではこれらが一体となって地上空間を占有して林冠canopyを形成する。森林は樹木の集団(林木)とこれが立っている土地(林地)で構成され,地上,地中を通じて多くの植物,動物,微生物が生活している。 森林は世界の陸地の約3分の1を占めている。…

※「木曾五木」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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