東京市政疑獄(読み)とうきょうしせいぎごく

改訂新版 世界大百科事典 「東京市政疑獄」の意味・わかりやすい解説

東京市政疑獄 (とうきょうしせいぎごく)

東京市会議員らの汚職事件。1920年明治神宮の参宮道工事不正問題,すなわち〈砂利食い事件〉に端を発し,市全般の道路・下水工事における大小さまざまな贈収賄事件の発覚が市政疑獄の第1弾である。つづいて東京瓦斯会社のガス料金値上げをめぐり,会社側が市会の二大団体,公和会と市友会に,それぞれ4万円,2万円を手渡したのをきっかけに数十万円にものぼる贈収賄を行ったことも明るみに出た。その後,市政にからむ乱脈な汚職は,25年の多摩鉄道会社への買収工作,28年の魚市場移転補償費70万円交付にからむ13万6000円の贈収賄,青物市場幹部の使用料引上げ額,市バスの車種変更にともなう追加予算成立(円太郎事件),京成電鉄乗入れ認可をめぐっての14万円を超える市会の収賄などが続々と明るみに出た。これらの事件で起訴された者は,贈賄幇助罪も含めて中央政界にまで波及し,三木武吉市議,正力松太郎読売新聞社長らにも及び,市会は内相から解散を命じられた。この後の市会選挙では,堺利彦はじめ無産政党が6議席をとり,定員84人中再選は20人にとどまった。
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