東油川村(読み)ひがしあぶらかわむら

日本歴史地名大系 「東油川村」の解説

東油川村
ひがしあぶらかわむら

[現在地名]石和町東油川

井戸いど村の南西、笛吹川と鵜飼うかい川の氾濫原にあり、両河川の合流地点に一〇町余と近いため河川氾濫の被害が大きかった。西は笛吹川を挟んで山梨郡西油川村(現甲府市)。西油川村とは古くは一村であったが、川筋が変わったので二村に分れたという(甲斐国志)。西油川村との間には笛吹川の金落かねのおち渡があり、渇水期の冬から春にかけては仮橋が架けられていた(同書)。武田信虎の叔父信恵は当地に拠って油川氏を称したとされる。「一蓮寺過去帳」の永正四年(一五〇七)二月四日の衆一房に「油川中将」と注記されるが、信恵の娘か。翌年信恵は敗死するが、子信守が油川氏を継ぎ、「天正壬午起請文」には御親類衆に油川刑部助・同弥平の名がみえる。

慶長古高帳では山梨郡と八代郡に油川があり、八代郡の油川が当村で、高五九〇石余。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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