東端城跡(読み)ひがしばたじようあと

日本歴史地名大系 「東端城跡」の解説

東端城跡
ひがしばたじようあと

[現在地名]安城市東端町 中縄手

あぶらふちの北六〇〇メートルの台地上に位置し、松林に囲まれている。天正八年(一五八〇)大浜おおはま(現碧南市)を守っていた長田久右衛門重元の長子尚勝が築いた城。城の構造は、居館城から郭内城へ移行する過程にある城郭である。天正一二年、尚勝の弟、伝八郎直勝が、長久手合戦に敵将池田恒興を倒した行賞として東端城を与えられ、東端村はじめ五ヵ村において千貫の地を賜り、尚勝は大浜に帰る。直勝については「改正三河後風土記」に「ここに大浜より岡崎へかけし群の中に美童あり、此美童大鼓を打つに其芸堪能なり、其他謡拍子は申までもなし、読書手習武芸迄年にまさりて器用なり、岡崎殿信康君悦び給ひ、やがて近習に召出され、長田伝八直勝と名乗しが」と直勝登用のよしを記す。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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