松喰鶴(読み)まつくいづる

日本大百科全書(ニッポニカ) 「松喰鶴」の意味・わかりやすい解説

松喰鶴
まつくいづる

マツ小枝を嘴(くちばし)にくわえたツルの模様。「まつばみづる」ともいう。マツもツルもいずれも延命長寿の瑞(ずい)木、瑞鳥で、これを組み合わせて二重にめでたい模様としたものである。元来これは東ローマ、ペルシアあたりに起源をもち、わが国では奈良時代に流行した花喰鳥(はなくいどり)模様を和風化したもので、藤原時代に賞用された模様である。国宝の松喰鶴文蒔絵(まきえ)小唐櫃(からびつ)(厳島(いつくしま)神社蔵)はこの期の代表的な作例であるが、そのほか藤原時代の鏡にはこの模様を鋳出したものがきわめて多い。

村元雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

機械メーカー。トヨタグループの総本家で,繊維機械のほかトヨタ自動車からの小型商用車の受託生産,エンジンその他の自動車部品,フォークリフトなどの産業用車両の生産も行なう。1926年豊田佐吉が,みずから発...

豊田自動織機の用語解説を読む