松喰鶴(読み)まつくいづる

日本大百科全書(ニッポニカ) 「松喰鶴」の意味・わかりやすい解説

松喰鶴
まつくいづる

マツの小枝を嘴(くちばし)にくわえたツルの模様。「まつばみづる」ともいう。マツもツルもいずれも延命長寿の瑞(ずい)木、瑞鳥で、これを組み合わせて二重にめでたい模様としたものである。元来これは東ローマ、ペルシアあたりに起源をもち、わが国では奈良時代に流行した花喰鳥(はなくいどり)模様を和風化したもので、藤原時代に賞用された模様である。国宝の松喰鶴文蒔絵(まきえ)小唐櫃(からびつ)(厳島(いつくしま)神社蔵)はこの期の代表的な作例であるが、そのほか藤原時代の鏡にはこの模様を鋳出したものがきわめて多い。

[村元雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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