厳島(読み)いつくしま

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

厳島
いつくしま

広島県南西部,広島湾にある島。宮島ともいう。廿日市市に属する。日本三景の一つ。島はほぼ北東から南西方向に長く,周囲約 30km,本土とは大野瀬戸を隔てて約 600mで,連絡船で結ばれる。島の最高峰は標高 535mの弥山で,信仰の場であるとともに,瀬戸内海の眺望の場でもある。満潮時,海上に影を落とす朱塗の大鳥居や海に浮かび上がる華麗な社殿で知られる厳島神社は島の北岸にあり,本社社殿など 6棟が国宝に指定されているほか,『平家納経』など多くの国宝を所蔵する。1996年世界遺産の文化遺産に登録された。島の全域が神域として保護されたため,亜熱帯性の植物やマツ,モミ,カヤの原生林が残り,秋の紅葉が名高い。弥山原始林は国指定天然記念物。弥山登山のロープウェー,水族館などの観光施設もある。島全体が国の特別史跡,特別名勝に指定されている。南部の海岸部には山間からの湧出水と海水が混ざる潮汐湿地が形成され,国の絶滅危惧種ミヤジマトンボの国内唯一の生息地となっており,2012年ラムサール条約に登録された。面積 30.39km2。人口 2193(2000)。

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世界大百科事典 第2版の解説

いつくしま【厳島】

広島湾の南西部にある島で,1島1町の宮島町がある。長さ10km,幅3.5kmの北東~南西に細長い紡錐形を呈し,幅1km余りの大野瀬戸で本土に対する。面積は30.2km2。広島県佐伯郡に属する厳島町であったが,1950年に現町名に改めた。島の大部分は弥山(みせん)(530m)を主峰とする険しい花コウ岩山地で,海岸には〈安芸の宮島まわれば七里,浦は七浦七恵比寿〉と謡われる小規模な砂浜がある。厳島神社門前町として発達した中心集落は弥山北麓の海岸にある。

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大辞林 第三版の解説

いつくしま【厳島】

広島湾西部の島。最高所は弥山みせん。島をおおう原始林は国の天然記念物。神の島とされ、出産・埋葬を忌んだ。北西岸に厳島神社があり、日本三景の一。宮島。

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日本の地名がわかる事典の解説

〔広島県〕厳島(いつくしま)


瀬戸内海西部、広島湾西部に浮かぶ島。面積30.4km2。宮島とも。広島県廿日市(はつかいち)市に属する。全域が国の特別史跡・特別名勝。西側は最狭部が幅500mの大野(おおの)瀬戸をはさみ本土に対する。最高峰の弥山(みせん)(標高535m)の原生林は国指定天然記念物。北岸に鎮座する厳島神社(伊都伎嶋(いつきしま)神社とも)は古く618年(推古(すいこ)26)ごろの創建といわれ、平安時代には平清盛(たいらのきよもり)により壮大華麗な大社殿が造営された。早くから安芸(あき)の宮島として陸奥(むつ)の松島(まつしま)、丹後(たんご)の天橋立(あまのはしだて)とともに日本三景の一つに数えられ、1996年(平成8)、厳島神社社殿・境内と弥山原生林一帯の431.2haが世界遺産(文化遺産)に登録された。

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国指定史跡ガイドの解説

いつくしま【厳島】


広島県廿日市市宮島町にある島。宮島は広島湾の最西端に位置し、広島市中心部から約20kmの南西海上にあり、厳島ともいう。長方形の島は1周約30kmで、最高峰の弥山(みせん)をはじめ、駒ヶ林(こまがばやし)、岩船山が連なり、また山塊では花崗岩が大きく露出して荒々しい景観を生み出している。厳島とは、「神をいつきまつる島」という意味からきているともいわれ、島全体が信仰の対象となっていたと考えられる。厳島神社は593年(推古天皇1)、佐伯部(さえきべ)の有力者であった佐伯鞍職(くらもと)が現在の場所に創建し、806年(大同1)には唐から帰朝した僧空海(弘法大師)が宮島に立ち寄り、弥山を開山したと伝えられる。平安時代には平清盛の庇護のもと、現在の社殿の規模や配置の基本が形づくられ、その後歴代施政者の庇護を受けて今日に伝えられてきた。弥山などの深い緑に覆われた自然を背景に、海中に建つ大鳥居や朱塗りの社殿群は荘厳をきわめ、江戸時代には日本三景の一つとされた。また、1555年(弘治1)には陶晴賢(すえはるかた)と毛利元就(もうりもとなり)が覇権を争った厳島合戦の古戦場跡などもある。島の全域が1923年(大正12)に国の史跡および名勝に指定され、1952年(昭和27)に国の特別史跡および名勝に指定された。1996年(平成8)には原爆ドームとともに世界遺産に登録された。JR山陽本線宮島口駅から宮島連絡船で約10分。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

厳島
いつくしま

広島県南西部、広島湾西部にある島。厳島神社の所在地で宮島(みやじま)ともいう。廿日市(はつかいち)市に属す。面積30.39平方キロメートル。幅600メートルの大野瀬戸を隔てて本土と対する。地質は斑(はん)状黒雲母花崗(くろうんもかこう)岩で、全山原生林で覆われる。最高所は弥山(みせん)(529.8メートル)で、頂上からの展望はすばらしい。また付近一帯は「瀰山(みせん)原始林」として国の天然記念物に指定されている。弥山の北麓(ろく)に厳島神社が鎮座し、門前町を形成する。古来、「安芸(あき)の宮島」として日本三景の一つに数えられる風光の地で、瀬戸内海国立公園の一部でもあり、特別史跡・特別名勝にも指定されている。厳島神社の建造物群と前面の海、背後の森林とは、1996年(平成8)、世界遺産の文化遺産として登録された(世界文化遺産)。
 島全体が神霊の地とされ、神社に仕える者以外の居住が始まったのは戦国時代からである。しかし神聖な島に対する掟(おきて)は厳しく、島内で五穀をつくること、機(はた)織りなどは禁じられ、出産、葬式にもいろいろな規制があった。江戸時代にも特別地域として扱われた。島内に広島大学附属宮島自然植物実験所、歴史民俗資料館、水族館などがある。また、北東の海岸沿いに包ヶ浦(つつみがうら)自然公園がある。本土側の廿日市市宮島口から宮島桟橋まで連絡船で結ばれ、広島港にも高速船が通じる。特産品として杓子(しゃくし)や、ろくろ細工が知られる。人口2193(2000)。[北川建次]

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世界大百科事典内の厳島の言及

【日本三景】より

…宮城県の松島,京都府の天橋立(あまのはしだて),広島県の厳島(いつくしま)を日本三景と称している。松島や天橋立はすでに平安時代中期までに,京都の貴族たちには広く知られた名勝地で,歌や名所絵のよき題材とされていた。…

※「厳島」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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