柱松(読み)ハシラマツ

デジタル大辞泉 「柱松」の意味・読み・例文・類語

はしら‐まつ【柱松】

一端地中に埋めて庭上に立てて用いるたいまつ。はしらたいまつ。たちあかし。たてあかし。
盆の火焚き行事の一。柱の上に柴などをとりつけておき、下から小さいたいまつを投げて点火させる。投げたいまつ。

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精選版 日本国語大辞典 「柱松」の意味・読み・例文・類語

はしら‐まつ【柱松・柱松明】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 一端を地中にさしこみ、庭上に立てて燃やすたいまつ。たちあかし。たてあかし。
    1. [初出の実例]「暗夜間、河原道東西難弁。道々相分処々、立柱松指南」(出典小右記‐寛仁元年(1017)一一月二五日)
  3. 盆や夏の祭に伴う火祭行事。柱の上に柴などをとりつけ、下からたいまつを投げて点火させる。神迎えの一形式であるが、競技年占の意味をもつようになったものもある。〔諸国風俗問状答(19C前)〕

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世界大百科事典(旧版)内の柱松の言及

【験競べ】より

…その呪法もさまざまあるが,使役神の護法を尸童(よりまし)や動物,物体などに憑依(ひようい)させ,動かしたり呪縛(じゆばく)したりしてその結果を見ることがよく行われ,中にはその勝敗を農作や漁獲の豊凶占いと結びつけたものもある。今日,奈良県吉野山蔵王堂の蓮花会の〈蛙飛び〉,山形県羽黒山の松例祭(しようれいさい)の〈兎飛び〉,長野県戸隠山,新潟県妙高山の〈柱松(はしらまつ)〉行事などにその残存儀礼を見ることができる。【鈴木 昭英】。…

【柱】より

…このように中心を象徴し神の依代となる柱の原形は,建築そのものとは無関係な,神事の際に祭場のしるしとして屋外に立てられた木や柱にあろう。柱を立てる神事で有名なのは,6年ごとに社地の四隅に巨大な柱を立てる諏訪神社の〈御柱(おんばしら)祭〉だが,祭場に柱や柱松(柱の上にたいまつを掲げたもの)を立てる神社は信州や東北地方に多い。祭場のしるしとしては,サカキなどの常緑の聖樹を伐って立てるものがより一般的だが,鉾(ほこ)や旗竿,幟(のぼり)なども柱と同じ類と考えられる。…

【火祭】より

…正月には鬼火焚きや左義長(どんど焼き)などの火祭があり,この火にあたると若返るとか病気にならないなどの呪力があるとされている。盆の前後には柱松(はしらまつ),火揚げ,火柱,竿灯(かんとう),ねぶた,大文字焼き(大文字火),灯籠流しなどの火祭があり,送り火迎え火のように盆の精霊を送迎したり怨霊を鎮めたりする火に由来するものが多い。また,火祭は年や季節の変り目によく行われるが,冬祭霜月祭では火をたくことで衰弱した太陽の力をよみがえらせようとしたものであり,小正月の火祭も含めて春季の火祭には修正会(しゆしようえ)や修二会(しゆにえ)にみられるように,いっさいの厄災を焼き払って新しい季節を迎えるという意図がうかがえる。…

※「柱松」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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