小右記(読み)しょうゆうき

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

小右記
しょうゆうき

右大臣藤原実資 (さねすけ) の日記。現在写本として伝えられているのは,天元1 (978) 年から長元5 (1032) 年までの部分。実資が小野宮右大臣 (右府) と呼ばれたことからこの記名があり,『小記』『野府記』などとも呼ばれる。藤原道長,頼通父子という藤原氏の最も栄えた時代を背景に,実資自身,博識で教養に富み,きちょうめんであったため,記事はすこぶる広範囲にわたり興味のあるものが多く,平安時代の日記の白眉とされている。道長の「この世をばわが世とぞ思ふ望月の欠けたることもなしと思へば」の歌も,実資の日記に書きとめられた和歌である。『史料大成』『大日本古記録』所収。

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デジタル大辞泉の解説

しょうゆうき〔セウイウキ〕【小右記】

平安中期の公卿、小野宮右大臣藤原実資(ふじわらのさねすけ)の日記。天元元年(978)から長元5年(1032)にかけての、藤原氏最盛期の政治・社会・儀式などを記述。当時の宮廷の実情を知るための重要な史料。野府記。小記。おうき。

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百科事典マイペディアの解説

小右記【しょうゆうき】

《野府(やふ)記》《小記》などとも。後小野宮右大臣藤原実資(さねすけ)の日記。982年―1032年にわたる記事が伝わり,藤原道長・頼通(よりみち)時代の政治・社会の状態,宮廷の儀式などを知るための重要史料。
→関連項目本朝世紀

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世界大百科事典 第2版の解説

しょうゆうき【小右記】

右大臣藤原実資(さねすけ)の日記。祖父実頼が小野宮と称したのに対して実資は後小野宮と称し,右大臣であったことから《小右記》という。《野府記》《続水心記》とも呼ばれる。982年(天元5)より1032年(長元5)までの記事が伝わるが,中間の欠逸が少なくない。内容は宮廷の政務儀式を中心に,公私両面にわたり詳細な記事を伝えている。《権記(ごんき)》《御堂関白記(みどうかんぱくき)》《左経記(さけいき)》と時期が並行し,相互に対照することにより得るところが多いが,とりわけ《御堂関白記》の記主藤原道長の言動への鋭い批判が随所に見え,権貴におもねることをいさぎよしとしない実資の性格をよく表している。

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大辞林 第三版の解説

おうき【小右記】

しょうゆうき【小右記】

〔「おうき」とも〕
藤原実資(通称、後小野宮右大臣)の日記。巻数未詳。九八二(目録によれば九七八)~1032年に至る記事を収め、藤原道長・頼通時代の政治・社会の状態や宮中の儀式などを詳細に記録する。野府記やふき。小記。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

小右記
しょうゆうき

平安中期の公卿(くぎょう)藤原実資(さねすけ)(957―1046)の日記。彼の通称小野宮(おののみや)右大臣から名がついた。「おうき」とも読み、『野府記(やふき)』『続水心記』ともいう。978年(天元1)から1036年(長元9)の約60年の長期間にわたるため欠巻も多い。1日の記事が長く、文章が具体的でわかりやすいうえ、実資の解釈や感想が付け加えられているので、貴族の日記として代表的であるだけでなく平安中期の基本的な史料として貴重である。内容は、藤原道長(みちなが)が権力を得てから没するまでの時代と重なるため、道長に関する記事が多いことはもちろんだが、ほかにも受領愁訴(ずりょうしゅうそ)の増加、刀伊(とい)の入寇(にゅうこう)など多くの興味深い記事を含む。とくに実資が小野宮家の嫡流としての気概をもち道長に迎合せず、批判すべき点ははっきり書いている点に特色がある。
 現在実資の自筆本は発見されておらず、平安・鎌倉期の古写本として伏見宮(ふしみのみや)本、前田本、九条本などのほか、江戸時代の新写本として東山御文庫(ひがしやまごぶんこ)本、内閣文庫本などがあり、刊本は『史料大成』(全3巻)、『大日本古記録』(全11巻)に収められている。
 また本記とともに重要な史料である『小記(しょうき)目録』は、日記の始まる978年から1032年までの記事の目録をとり、内容別に20巻に分類したもので、18巻が現存する。1033年以後の早い時期に本記の検索の便宜のため作成されたと考えられ、本記の欠落する部分について補うことができる。『史料大成』『大日本古記録』所収。[吉田早苗]

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世界大百科事典内の小右記の言及

【藤原実資】より

…男子はなく兄懐平の子の資平を後継者としたが,資産は女子一人に譲与した。日記《小右記(しようゆうき)》は982‐1032年にわたり現存。儀式などの記事は詳細で,政治や世相に対する批判も多くみられ,摂関政治最盛期のとくに重要な史料である。…

※「小右記」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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