栄養塩(読み)エイヨウエン(その他表記)Nutrient salts

最新 地学事典 「栄養塩」の解説

えいようえん
栄養塩

nutrients

海洋科学における用語。広義には,生物の生育に必要なすべての塩類を指すが,通常は,生物生産量をコントロールする可能性のあるN・P(リン酸塩態)・Si(珪酸塩態)の塩類を指す。Nは,主に硝酸塩として存在するが,動物が排出するアンモニア,分解過程での中間生成物の亜硝酸塩もある。陸の生物に不足しがちなKは海水の主成分の一つである。Siは珪藻放散虫など珪酸の殻をつくる生物だけに必要なので,これが不足すると特殊な生態系ができる。また,最近はFeなどの微量栄養塩の役割が注目されている。

執筆者:

出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

海の事典 「栄養塩」の解説

栄養塩

植物プランクトン海藻の栄養となる海水中に溶けた、けい酸塩・りん酸塩・しょう酸塩・亜しょう酸塩等を総称して栄養塩または栄養塩類という。海水は栄養 塩の希薄溶液であり、通常その量の不足が植物プランクトン等の増殖の制約要因となっている。一般に表層では、植物プランクトンに消費されて栄養塩が少な い。湧昇域等、栄養塩に富んだ下層の水が表層にもたらされる海域が、好漁場となるのはそのためである。 (永田

出典 (財)日本水路協会 海洋情報研究センター海の事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の栄養塩の言及

【海】より

…海の植物プランクトンによる生産量は,1ha当りほぼ1~4.5tくらいであるが,もちろん海域によって変化する。基礎生産は,海水中の無機栄養塩を利用して行われるが,特にリン酸塩と硝酸塩の量によって生産量が左右される場合が多い。栄養塩の豊富な沿岸海域では,黒潮などの貧栄養海域と比べて,数倍も生産量が高く,海底の栄養塩が有光層に常に持ち上げられている湧昇流海域では,さらに高い生産量がある。…

※「栄養塩」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

〘 名詞 〙 春の季節がもうすぐそこまで来ていること。《 季語・冬 》 〔俳諧・俳諧四季部類(1780)〕[初出の実例]「盆栽の橙黄なり春隣〈守水老〉」(出典:春夏秋冬‐冬(1903)〈河東碧梧桐・高...

春隣の用語解説を読む