栄養(読み)エイヨウ

デジタル大辞泉 「栄養」の意味・読み・例文・類語

えい‐よう〔‐ヤウ〕【栄養/営養】

生物体が体外から物質を取り入れ、成長活動に役立たせること。無機物のみを取り入れる独立栄養と、有機物も取り入れる従属栄養に分けられる。
栄養となる個々の物質。栄養素。また、それを含む食物。「―を取る」
[類語]滋養養分人工栄養栄養分栄養素栄養価炭水化物含水炭素糖質糖類澱粉蛋白質アミノ酸ゼラチンコラーゲン脂肪・脂肪分・脂質ビタミンミネラル灰分無機質食物繊維

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百科事典マイペディア 「栄養」の意味・わかりやすい解説

栄養【えいよう】

生物が自己の体構成分をつくり,生命の維持に必要な物質を外界から摂取すること,および体内におけるその利用の過程。摂取される物質(ヒトや動物では食物という)の個々のものを栄養素という。ヒトの栄養素として,炭水化物脂肪タンパク質の三大栄養素とビタミンカルシウム・鉄などの無機質(ミネラル)がある。三大栄養素は体内で燃焼してエネルギー源となるので熱量素という。食物は年齢,性別,労働条件などによって異なるエネルギー所要量をみたさねばならない。炭水化物,脂肪,タンパク質各1gが体内で発生するエネルギーは,4,9,4kcalである。ただし,タンパク質は本来,体構成分をつくる役目をもち,それに使われなかった部分がエネルギー源となる。発育期の小児妊婦授乳婦は特に多量に必要とする。

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世界大百科事典 第2版 「栄養」の意味・わかりやすい解説

えいよう【栄養 nutrition】

生物は外界からとり入れた種々の物質を材料にして体の構成物質を作り,また体内で物質が分解するときに生じる化学的エネルギーを利用してあらゆる生活活動を行っている。このような体外からの栄養物質(これを栄養素という)の摂取と体内でそれを利用する過程を栄養という。 摂取する栄養素の質によって栄養型が分類される。緑色植物クロロフィル(葉緑素)のはたらきで,太陽光線のエネルギーによって二酸化炭素と水から炭水化物であるブドウ糖を合成することができ(光合成),これが体内で分解するときに生じるエネルギーによって,根から吸収した窒素,硫黄,リン,カリウムマグネシウムなどの無機化合物を材料として,タンパク質,核酸,その他あらゆる生体構成成分を合成する。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「栄養」の意味・わかりやすい解説

栄養
えいよう
nutrition

生物が外部から必要な物質を摂取し,それを利用して生体を維持し生活する現象。人間が毎日摂取する食物には次の3つの条件が必要で,これがまっとうされることによって栄養は完全なものとなる。 (1) 身体の活動に必要なエネルギーを供給すること。 (2) 身体の発育および各組織の消耗を補充するために必要な成分を供給すること。 (3) 身体の自律調整にあずかり,また組織と体液の間の物理化学的な平衡にあずかる物質を供給すること。

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栄養・生化学辞典 「栄養」の解説

栄養

 生物が,自分の身体の働きに必要な外部の物質を取り込むことを栄養というが,酸素を取り込むことは含めない.

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世界大百科事典内の栄養の言及

【栄養剤】より

栄養の不足を補い,アンバランスを調整するために服用する薬を総称していう。一般にはビタミン剤,アミノ酸製剤,ミネラル製剤,滋養強壮剤のことをさすが,広義には一般輸液,高カロリー輸液,宇宙食や外科栄養法に用いられる成分栄養剤elemental dietも含まれる。…

※「栄養」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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