核廃棄物海洋投棄(読み)かくはいきぶつかいようとうき(その他表記)nuclear waste ocean dumping

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「核廃棄物海洋投棄」の意味・わかりやすい解説

核廃棄物海洋投棄
かくはいきぶつかいようとうき
nuclear waste ocean dumping

ソ連時代からロシアが,原子力潜水艦の老朽原子炉等の放射性廃棄物を日本海などに海洋投棄していたことが 1993年4月に判明した。ロシア政府発表の白書によるもので,59年から 92年の間に,日本海,オホーツク海などの極東海域,およびバレンツ海などの北方海域に相当量の液体および固体廃棄物を投棄したという。極東海域に投棄されたものには,核燃料を抜いた原子炉やその関連機材も含まれており,その放射能量は,685兆ベクレルにのぼるとされている。低レベル放射性廃棄物の海洋投棄は,現在はロンドン条約締結国の申し合わせで凍結中。科学技術庁の調査では日本海の汚染は「国民の健康に対して影響が及んでいるものではない」とされた。

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