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核燃料 かくねんりょう nuclear fuel

翻訳|nuclear fuel

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

核燃料
かくねんりょう
nuclear fuel

原子炉の中で核分裂反応を起こし,エネルギーを発生させるのに使われる核分裂性物質原子燃料 atomic fuelともいう。ウラン235(天然ウラン中に 0.72%の割合で含まれている)のほか,ウラン238やトリウム232を原子炉中で中性子により照射してつくられるプルトニウム239,ウラン233が用いられる。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

核燃料

製造工場では、原料のウラン粉末を成形、焼き固めて縦横1センチほどのペレット(筒形の小片)にする。ペレットは金属筒に詰められ、長さ4メートル弱の1本の燃料棒になる。燃料棒を70~260本ほどを束ねた「燃料集合体」が原発に納入される。核燃料は東海村に工場を持つ「原子燃料工業」「三菱原子燃料」と、神奈川県横須賀市の「グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン」の3社で製造。原燃工と三菱原燃は東海村の2工場だけで国内生産量の約4割の生産能力を持つ。

(2012-06-24 朝日新聞 朝刊 茨城 1地方)

出典|朝日新聞掲載「キーワード」
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デジタル大辞泉の解説

かく‐ねんりょう〔‐ネンレウ〕【核燃料】

原子炉内で核分裂を起こし、エネルギーを発生する物質。天然ウラン中に約0.7パーセント含まれるウラン235と、中性子を照射して作るウラン233・プルトニウム239がある。原子核燃料原子炉燃料。原子燃料。

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百科事典マイペディアの解説

核燃料【かくねんりょう】

原子燃料とも。原子核分裂を起こして原子核エネルギーを放出する物質。自然に存在するウラン235人工元素プルトニウム239トリウム232がある。ウランはウラン235の含有量により天然ウラン,濃縮ウラン劣化ウランに分ける。
→関連項目核燃料サイクル核分裂(物理)原子力工学原子力産業原子力発電原子炉原発事故増殖炉転換炉燃料プルサーマル臨界量

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世界大百科事典 第2版の解説

かくねんりょう【核燃料 nuclear fuel】

原子燃料ともいい,原子力のエネルギーを原子炉によって利用する際,エネルギーを発生する源になるものをいう。核融合反応を利用する核融合炉での使用が想定される重水素三重水素なども広義には含むが,一般には核分裂反応を利用する原子炉で使用するもののみをいい,ウランU,プルトニウムPu,トリウムThのいずれか一つ,またはその組合せである。 ウランのおもな同位体はウラン238 238Uとウラン235 235Uであって,それぞれ天然存在比は99.27%と0.72%である。

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大辞林 第三版の解説

かくねんりょう【核燃料】

原子炉で核反応を起こしてエネルギーの発生源となる物質。一般には,核分裂反応を利用するウラン二三五・プルトニウム二三九などをいう。広義には核融合反応を利用する重水素なども含めていう。原子燃料。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

核燃料
かくねんりょう

原子炉内で核分裂反応によってエネルギーを発生させる炉心の構成要素。核分裂性物質(ウランU、プルトニウムPu)とともに、中性子を吸収することによってこれを生み出す親物質(トリウムThなど)をさす場合もある。核分裂反応は、もちろん通常の燃焼(酸化反応)とはまったく異なるが、比喩(ひゆ)的に燃料、燃焼、死の「灰」(核分裂生成物)などということばが用いられている。中性子が衝突して核分裂をおこす核種は、天然ウラン中に約0.7%含まれるウラン235、天然ウランの大部分を占めるウラン238に中性子を吸収させてつくりだすプルトニウム239、およびトリウム232に中性子を吸収させてつくりだすウラン233の3種と考えてよい。この3種類の核分裂性同位元素をどのように選択するかによって原子炉の基本的な構成や核燃料サイクルが定まる。その意味でこの選択は原子力政策の基本となるものである。今日、発電用原子炉としてもっとも多く用いられている軽水炉ではウラン235の含量を3%程度に濃縮したウラン(低濃縮ウラン)を用いる。炉内での燃焼に伴って燃料内にプルトニウム239が蓄積されるが、これは核燃料の再処理に際して分離される。高いエネルギーをもつ中性子を利用する高速中性子炉においては、燃料としてプルトニウムを用いるが、炉心の周囲に親物質を詰めたブランケットを置き、これに中性子を吸収させて消費量以上のプルトニウムを生産することができる。これを増殖炉とよぶ。ウラン1グラムが全部核分裂をおこせば理論的には石炭3トン分に相当するエネルギーを発生する。しかし高速増殖炉が実用化されていない現状ではウランの1%程度が消費されるにすぎず、この意味では資源が有効に利用されているとはいえない。なお、プルトニウムと低濃縮ウランの混合酸化物燃料(MOX燃料=Mixed Oxide Fuel)を、軽水炉で利用する試みもなされている。プルトニウムを熱中性子炉(サーマル・リアクター)で利用することから、日本ではこれをプルサーマル利用とよび、2009年(平成21)から営業運転を開始した。しかし、プルサーマル利用によって増加するウラン資源の可採年数は、10年程度にすぎない。[舘野 淳]

ウラン資源

ウランはペグマタイトや熱水鉱床などの火成鉱床および礫岩(れきがん)・頁岩(けつがん)型などの水成鉱床として産出するが、現在では、主として埋蔵量の多い後者から採掘されている。OECD原子力機関(NEA=Nuclear Energy Agency)および国際原子力機関(IAEA)の2007年度資料によると、ウランの確認資源量として、ウラン1キログラム当り80ドル以下のものが259.8万トン、推定資源量として同じく185.8万トンと発表されている。年間の生産量は2006年の数字で4.1万トン程度であり、近年、オーストラリア、カナダ、ロシア、南アフリカ共和国の産出量がやや減少しているのに対して、カザフスタンとアメリカが増大している。[舘野 淳]

軽水炉燃料の構成

核燃料の性質として高温で安定なこと、熱伝導性のよいことが要求されるが、この点を考慮して軽水炉では酸化物燃料が用いられる。酸化物燃料とは、二酸化ウランUO2の粉末を直径、長さとも1センチメートル程度のペレットとして焼結したものである。これを長さ約3.7メートルのジルカロイ製被覆管内に封入し、管の上下は核分裂生成ガスを入れるプレナム部分を残し、溶接密封される。に示すように、沸騰水型原子炉(BWR)の場合は、この燃料棒を7×7本あるいは8×8本配列し、チャネル・ボックスとよぶ箱形の鞘(さや)に収め、これを燃料集合体と名づける。この燃料集合体が多数集まって炉心を形成するが(110万キロワット炉の場合は750個程度)、その際4個の集合体に対して、1個の十字形制御棒(中性子を吸収して原子炉の出力を制御する棒)が配置される。加圧水型原子炉(PWR)の場合、集合体内の燃料棒の数はより多く(たとえば15×15本)、制御棒は集合体内に配置される。またチャネル・ボックスはない。[舘野 淳]

核燃料の健全性と原子炉の安全

燃焼が進むにつれて核分裂生成物が燃料ペレット内に蓄積し、また高温(2800℃以上)のためペレットの中心部は溶融し、ペレット内にはクラックcrackが入る。このようなペレットの変形によって被覆管との間に機械的相互作用が生じ、また核分裂生成物による被覆管の腐食が進行し、応力腐食割れによる燃料棒破損が生じやすい状態となる。燃料棒が破損すれば炉内の冷却水中に核分裂によって生じた放射性物質が混入し、環境汚染や労働者被曝(ひばく)の原因となる。燃料破損を防ぐためには、急激な出力の変動を伴う運転は避ける必要がある。このため現在の日本の技術水準では発電炉の負荷追従運転(電力需要にあわせて電気出力を上下させる運転方式)は困難であり、一定出力の運転(ベース・ロード運転)を余儀なくされている。[舘野 淳]

核燃料の規制

核燃料の国内的な規制は、「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」(略称「原子炉等規制法」。昭和32年法律第166号)に基づいて行われている。法律の制定された当初は、放射性物質である核燃料物質の利用に際しての、安全確保の色彩が強かったが、その後国際的に核拡散防止の必要性が強調されるにつれて、核拡散防止関連の条項が追加されてきた。プルトニウムの利用が拡大し、また核兵器保有疑惑国が増加する国際情勢の下で、1970年に核不拡散条約(NPT。核拡散防止条約ともいう)が成立してからは、規制の焦点はますます後者に移りつつある。
 核拡散防止のための具体的な規制方法としては、保障措置と核物質防護とがある。保障措置とは、非核兵器国が平和利用目的の核物質をひそかに軍事利用に転用することを防止する目的で、国際原子力機関(IAEA)が核不拡散条約に基づいて実施するもので、該当国に核物質の計量管理を義務付け、IAEAは、これが正しく行われているかどうかを、施設に立ち入って検査する(査察)権限を保有し行使する。これによって核保有国が増加することを防止している。
 一方、核物質防護とは、核物質の取扱い施設から、テロリストなどによって核物質が盗取されることを防止する目的で、防護区域を設定し、出入管理、情報管理などを行う。物理的に施設を囲い込むので、物理的防護(PP=Physical Protection)とよばれている。
 核の拡散(非核兵器国の増加)を防止することは、きわめて重要であるが、上記核不拡散条約は、非核兵器国の核保有のみを制限する不平等条約であり、真に目的を達成するためには、核兵器国の核兵器を含む全ての核兵器の廃絶が必要であることが指摘されている。[舘野 淳]

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