バレンツ海(読み)バレンツかい(英語表記)Баренцево Море/Barentsevo More

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バレンツ海」の意味・わかりやすい解説

バレンツ海
バレンツかい
Barents Sea

北極海の縁海の一つ。スカンジナビア半島北岸,ロシア北西部,ノーバヤゼムリャーフランツヨシフ諸島,スバールバル(ノルウェー領)に囲まれ,大きな入江白海を有する。面積約 137万km2。16世紀のオランダの探検家ウィレム・バレンツにちなんで命名された。深度は浅く,平均深度約 230m,最大深度 600m。古第三紀の時代には陸地であり,かなり強力な河川が表面を流れていた。氷河時代には氷河で覆われ,のちに沈降した。そうした過去の地形パターンが残っている。堆積物シルト,砂あるいは砂-シルトの混合からなる。北大西洋海流の影響で水温は南西側で高く,2月にも 1~3℃。漁業海域として発展しつつある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「バレンツ海」の意味・わかりやすい解説

バレンツ海
ばれんつかい
Баренцево Море/Barentsevo More

北極圏にある海域の一つ。南はスカンジナビア半島東部ないしロシア連邦北部海岸に限られ、東はノバヤ・ゼムリャを挟んでカラ海、北はゼムリャ・フランツァ・イオシファ(フランツ・ヨーゼフ・ランド)、スバールバル(スピッツベルゲン諸島を挟んで北極海、西はノルウェー海に続いている。面積141万4000平方キロメートル。水深は平均200メートル、最深部600メートル。北大西洋海流(暖流)が反時計回りに流れ込んでいる。冬は結氷するが、夏は北東~北西部を除き、開水域となる。

[津沢正晴]

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