日本大百科全書(ニッポニカ) 「桧原湖」の意味・わかりやすい解説
桧原湖
ひばらこ
福島県北部、耶麻(やま)郡北塩原村の磐梯高原(ばんだいこうげん)にある湖。面積10.83平方キロメートル。水面標高822メートル、最大水深30.5メートル。南北約10キロメートルで細長く、湖岸線は複雑である。1888年(明治21)磐梯山大爆発の際、流れ出た泥流が長瀬(ながせ)川の支流桧原川をせき止めてつくりだしたもので、小野川湖、秋元湖とともに裏磐梯三湖といわれる。大爆発でかつての米沢(よねざわ)街道の宿駅集落桧原や雄子沢(おしざわ)、細野はいずれも湖底に沈んだ。湖面には泥流丘陵が島となって点在する。磐梯朝日国立公園に含まれ、四季を通じて観光客が絶えない。冬季、結氷した湖でのワカサギ釣りは有名。
[中村嘉男]