改訂新版 世界大百科事典 「梅泉野録」の意味・わかりやすい解説 梅泉野録 (ばいせんやろく) 朝鮮,李朝末期の学者黄玹(こうげん)(1855-1910)の編んだ野史。梅泉は黄玹の号。1864年の大院君政権時代の開始から1910年の日韓併合までの記録をおさめている。内政・外交上の重要事件,大院君政権・閔氏政権の実態,科挙の不正と売官,民衆運動・民族運動,地方官の腐敗と暴政,文化・風俗など内容はきわめて豊富である。黄玹は日韓併合に痛憤,服毒自殺した。翌年門人らによって《梅泉集》が刊行され,解放後の55年に韓国国史編纂委員会が《梅泉野録》の活字本を刊行し,朝鮮近代史研究の基本史料として用いられている。執筆者:糟谷 憲一 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by