棄恩入無為(読み)きおんにゅうむい

精選版 日本国語大辞典 「棄恩入無為」の意味・読み・例文・類語

きおん‐にゅうむい‥ニフムヰ【棄恩入無為】

  1. 〘 名詞 〙 恩愛の情を捨て、世俗執着を断ち切って、悟りの道にはいること。ふつう、「棄恩入無為、真実報恩者」と用いられ、出家受戒のおりに唱えられる。
    1. [初出の実例]「棄恩入無為。そむかずばいづれの世にか廻りあひて思ひけりとも人に知られん〈寂然〉」(出典:新古今和歌集(1205)釈教・一九五七)
    2. [その他の文献]〔法苑珠林‐二二〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の棄恩入無為の言及

【剃髪】より

…僧侶が出家するとき,俗世間を捨てて仏弟子になる心を表明するために髪をそり,円頂になること。これを〈棄恩入無為〉といい,得度式の受戒に先立っておこなわれる。これは戒律によって義務付けられたものであるが,大乗仏教では菩薩は俗形のままであり,如来も螺髪(らほつ)をつけており,ひとり地蔵菩薩だけが円頂比丘形である。…

※「棄恩入無為」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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