法苑珠林(読み)ほうおんじゅりん(その他表記)Fǎ yuàn zhū lín

精選版 日本国語大辞典 「法苑珠林」の意味・読み・例文・類語

ほうおんじゅりんホフヲン‥【法苑珠林】

  1. 中国唐代の仏教書。一〇〇巻。道世著。総章元年(六六八)成立。仏教の思想儀礼などを内容的に分類し、豊富な引用によって項目別に概観したもの。一〇〇篇六六八部に分かれる。

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改訂新版 世界大百科事典 「法苑珠林」の意味・わかりやすい解説

法苑珠林 (ほうおんじゅりん)
Fǎ yuàn zhū lín

中国,唐初に編纂された仏教資料集。100巻。長安西明寺の道世の著作。仏教に関する重要事項を伝統的な類書の分類法に従って100篇に分かち,《大蔵経》や《修文殿御覧》ならびに小説類等から事例を集めたもので,巻末に書目が付いている。約10年を費して668年(総章1)に完成した。同僚道宣の著作《続高僧伝》(645撰),《広弘明集》(664撰)等と密接な関連があり,道宣の著作の索引的役割を持つ。なお魯迅本書と《太平広記》をおもなよりどころとして《古小説鈎沈》を編纂した。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「法苑珠林」の意味・わかりやすい解説

法苑珠林
ほうおんじゅりん
Fa-yuan zhu-lin

中国,唐の僧,西明寺道世の著。 100巻。総章1 (668) 年成立。仏教の百科事典的性格を有する書物で,全 100巻を項目別に 100編 668部に分け,仏教における思想,術語などを概説,諸経論などからの引用をあげて典拠を明示したもの。千百数十種もの経論が引かれ,現存しないものまで含まれていて,中国仏教資料として重要である。

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世界大百科事典(旧版)内の法苑珠林の言及

【カローシュティー文字】より

…アショーカ王以後も,シャカ,クシャーナ朝の諸王によって採用されたが,5世紀以降,ブラーフミー系文字と交代し,その後,忘れ去られてしまった。19世紀には解読され,仏教,ジャイナ教の文献および《法苑珠林(ほうおんじゆりん)》から,カローッティー,カローシュティーの名称が確認されたが,起源については諸説がある。【田中 敏雄】。…

※「法苑珠林」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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