世俗(読み)せぞく

精選版 日本国語大辞典 「世俗」の意味・読み・例文・類語

せ‐ぞく【世俗】

〘名〙
① 世の中のならわし。世の風俗。また、世渡り。せいぞく。
※中右記(1092)寛治六年四月八日「今日依神事可有御湯殿也、而世俗今日沐浴有其忌者、如何」 〔孟子‐梁恵王・下〕
② この世の中。俗世間世間
万葉(8C後)五・悲歎俗道仮合即離易去難留詩序「是知 世俗本無隠遁之室 原野唯有長夜之台
徒然草(1331頃)一五一「世俗の事に携はりて生涯を暮すは、下愚の人なり」 〔戦国策‐趙策上・武霊王〕
③ 俗世間の人。世間普通の人。世間。
太平記(14C後)二〇「鹿を狩り鷹を使ふ事は、せめて世俗の態なれば言ふに足らず」 〔史記‐魯仲連伝〕
寺院法会や仏事などで、職衆に下される布施饗膳の称。
大乗院寺社雑事記‐康正二年(1456)五月二六日「於門跡信読大般若始行一七个日。世俗事松林院〈略〉一切経納所・勅願納所・大乗院納所毎日次第々々懃仕之

せい‐ぞく【世俗】

〘名〙 =せぞく(世俗)〔広益熟字典(1874)〕
詩文粉飾(1889)〈内田魯庵〉「殊更如斯(かくのごとき)口調は世俗(セイゾク)の好んで容るる処なるをもて」

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デジタル大辞泉 「世俗」の意味・読み・例文・類語

せ‐ぞく【世俗】

俗世間。また、俗世間の人。
世の中の風俗・習慣。世のならわし。「世俗に染まる」
[類語]俗世間俗界塵界濁世風塵一般社会世間世人せじん万人ばんにん公衆

せい‐ぞく【世俗】

せぞく(世俗)

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普及版 字通 「世俗」の読み・字形・画数・意味

【世俗】せぞく

世間。

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