朝日日本歴史人物事典 「森崎保佑」の解説
森崎保佑
江戸後期の女性産科医。保祐とも記す。上総国周准郡(千葉県)の産科医大牧周西(1784~1824)の弟子。周西の遺稿『産科指南』上下2巻を,周西の自序(1823)を付して出版(1826)し,末尾の付録に,保佑自身の実験に基づく流・早産防止法,骨盤位,横位の頭位への矯正法,産褥血腫の治療法を記載した。多紀元堅の序によると,保佑は師の学を継ぎ,その技をもって都下に行くとあるから,江戸も活躍の場であったらしい。学と術とに優れ,師恩に報いるため,容易でない出版を成し遂げた。息子の玄道,娘の佑好,佑整も母の業を継いだ。
(石原力)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報