さお‐さ・すさを‥【棹刺】
- 〘 自動詞 サ行五(四) 〙
- ① 棹を水底に突き立てて舟を進める。棹をあやつって舟をやる。
- [初出の実例]「夏の夜は道たづたづし船に乗り川の瀬ごとに佐乎左指(サヲサシ)上れ」(出典:万葉集(8C後)一八・四〇六二)
- 「沖津船よるべなみ路にただよはばさほさし寄らむとまりをしへよ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)真木柱)
- ② ( 比喩的に ) 調子を合わせて、うまくたちはたらく。機に乗じる。
- [初出の実例]「新田左兵衛佐同少将の許より、内状を通じて、事の由を知せたりければ、流れに棹(サホサス)と悦て、軈(やが)て同心してげり」(出典:太平記(14C後)三一)
棹刺すの補助注記
近年「流れ(流行・時流)にさおさす」の形で、「逆らう」「逆行する」の意に誤って用いることがある。比喩としての本来の使い方は②の意。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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