椎葉山根元記(読み)しいばやまこんげんき

日本歴史地名大系 「椎葉山根元記」の解説

椎葉山根元記
しいばやまこんげんき

一冊

分類 地誌

写本 東京大学史料編纂所

解説 肥後人吉藩預所であった椎葉山に伝わる伝承や村役人らの系譜を記したもので、内容的には平家落人伝説、戦国合戦記、椎葉山騒動顛末、預所となる経緯、寛延元年上納分・村役人名書上、庄屋由緒・系譜、帯刀理由の尋問と回答、人吉藩による村役人待遇などから構成されるが、なかでも平家落人伝説と椎葉山騒動顛末が中心である。成立時期は内容からおそらく寛延期に幕府巡見使への対応マニュアルとして人吉藩が作成させたものと考えられる。椎葉村内にはこのほか「椎葉山由来」や「椎葉山覚」などが数多く残されており、根元記が大量に写されて流布していたことがうかがえる。原本は明治初年以来村役場に保存されてきたが、現在は所在不明。明治三九年三好利八が「椎葉村史考」第一巻に収めた書写本が那須家に残る。また「大日本史料」第十二編之三十一には椎葉山騒動顛末のみが掲載されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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