デジタル大辞泉 「経緯」の意味・読み・例文・類語 けい‐い〔‐ヰ〕【経緯】 [名](スル)1 縦糸と横糸。2 縦と横。3 南北と東西。経線と緯線。また、経度と緯度。4 物事の筋道。いきさつ。顛末てんまつ。「事件の経緯を話す」5 秩序を立てて治め整えること。「本朝支那の言語文字を―して用うること千有余年」〈西村茂樹・明六雑誌一〉[類語](3)経線・経度・緯線・緯度・東経・西経・北緯・南緯・赤道・子午線・日付変更線/(4)過程・いきさつ・顛末・一部始終・プロセス・始末・次第・子細・曲折 いき‐さつ【経=緯】 物事のこみいった事情。事件の経過。「これまでの経緯を語る」[類語]過程・経緯・顛末・一部始終・プロセス・始末・次第・子細・曲折 たて‐ぬき【▽経▽緯】 1 機はたの縦糸と横糸。けいい。2 縦と横。けいい。3 事の始終。すべて。「源氏、狭衣―に覚え、歌詠み、連歌を好みて」〈十訓抄・一〉 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「経緯」の意味・読み・例文・類語 けい‐い‥ヰ【経緯】 〘 名詞 〙① ( 「経」は「たていと」、「緯」は「よこいと」の意 ) 縦糸と横糸。また、たてとよこ。縦横。〔色葉字類抄(1177‐81)〕[初出の実例]「横港貿易の盛なるや、往商来賈、経緯織るが如し」(出典:東京新繁昌記(1874‐76)〈服部誠一〉初)[その他の文献]〔荘子‐寓言〕② 南北と東西。経線と緯線。経度と緯度。〔颶風新話(航海夜話)(1857)〕③ ( ━する ) 織りなすこと。[初出の実例]「至下夫吹二瑩玉句一。必二風月於造次一。経二緯錦篇一。写中龍鳳於襟懐上」(出典:本朝文粋(1060頃)九・唯以詩為友詩序〈大江匡衡〉)④ ( ━する ) 物事の骨子、基幹とすること。また、そのもの。[初出の実例]「邦家の経緯、王化の鴻基なり」(出典:古事記(712)序)[その他の文献]〔春秋左伝‐昭公二五年〕⑤ 物事の筋道。事情。いきさつ。経路。[初出の実例]「彼女と私との経緯を仕組んだ小説も或は必定読んでをるにきまってゐる」(出典:途上(1932)〈嘉村礒多〉)[その他の文献]〔史記‐礼書〕 たて‐ぬき【経緯】 〘 名詞 〙① 機(はた)の経(たていと)と緯(よこいと)。織物の縦の糸と横の糸。たてよこ。けいい。[初出の実例]「み吉野の青根が峰の蘿蓆(こけむしろ)誰か織りけむ経緯(たてぬき)無しに」(出典:万葉集(8C後)七・一一二〇)② 転じて、縦と横。たてよこ。けいい。[初出の実例]「たてぬきが各十二里ならば、四方に四十八里であらうすか」(出典:史記抄(1477)七)③ 物事のくわしい事情や経過。事の一部始終。けいい。また、「に」を伴って、副詞的に用いて、くわしく、十分にの意を表わす。[初出の実例]「源氏狭衣たてぬきにおぼえ、哥よみ連哥を好て」(出典:十訓抄(1252)一) いき‐さつ【経緯】 〘 名詞 〙① 事件の経過。事のなりゆき。ゆきがかり。[初出の実例]「終に両家の乱となる。そのいきさつを〈略〉爰にあらはす通が代や」(出典:洒落本・伊賀越増補合羽之龍(1779)向島之段)② 物事のこみいった内部事情。いざこざ。しさい。[初出の実例]「与五郎に盆の上で百両のいきさつ」(出典:歌舞伎・油商人廓話(1803)二幕) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
普及版 字通 「経緯」の読み・字形・画数・意味 【経緯】けいい(ゐ) すじみち。常法。いとなみ。〔左伝、昭二十五年〕禮は上下の紀、天地の經なり。民の生くる以なり。是(ここ)を以て先王之れを(たつと)ぶ。字通「経」の項目を見る。 出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報