改訂新版 世界大百科事典 「業余作家」の意味・わかりやすい解説
業余作家 (ぎょうよさっか)
yè yú zuò jiā
中国語の業余とは専業(プロ)に対することばである。中国作家協会およびその全国各分会の雑誌に作品が載り,文学創作講習会や研究会等への有資格者が業余作家とみなされる。音楽,美術,寄席演芸等の分野を含めた〈業余作者〉ということばが一般的。前記の会等への参加費用や有給休暇等は,所属の職場から援助が与えられる。作品が質量ともに豊富になると,作家協会会員として認められ,専業作家になることができる。このシステムに,業余作者に対する掌握・操縦と位置づけの鍵がある。現在では,専業の予備軍にすぎない。胡万春,蔣子竜等が有名だが,彼らは専業になっても,職場を離れず,〈工人作家〉と称されている。1981年3月,業余作者は892人(男667,女225,うち少数民族47)。これは35歳以下の青年作者で,協会の各分会が重視している者の数にすぎない。部隊では,全国的な文芸雑誌に作品を発表している者300人以上という。最近は,業余作家育成に力を入れており,この数字をはるかに超えていよう。
執筆者:萩野 脩二
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報