榎沢郷(読み)えのきさわごう

日本歴史地名大系 「榎沢郷」の解説

榎沢郷
えのきさわごう

中世の伊南いなん庄内の郷。現榎沢に比定される。応永二八年(一四二一)九月五日の鎌倉公方足利持氏御教書写(松雲公採集遺編類纂)に鎌倉の六天宮領として「伊南庄榎沢郷」とみえ、当郷地頭職が前大僧正弘賢・権大僧頭賢円を経て鎌倉鶴岡八幡宮および六天宮の別当尊運に安堵されている。永正一二年(一五一五)一二月一七日の奥書をもつ身延山久遠くおん寺蔵の要決法華知謗法論巻四は当郷の常証山大恵だいえい(現大栄寺)で日伝が書写した。当郷を名字の地とした「ゑのさハの孫左衛門」が正和五年(一三一六)閏一〇月六日に使僧を遣わして、京綾小路大宮あやこうじおおみや(現京都市下京区)にあった日蓮自筆の本尊を受取っている(「某請取状」妙顕寺文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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