樋・楲(読み)ひ

精選版 日本国語大辞典 「樋・楲」の意味・読み・例文・類語

ひ【樋・楲】

〘名〙
① 水を導き送る長い管。竹や木、あるいは土を固めて作った。下樋、懸け樋、埋み樋などがある。とい。
新撰姓氏録(815)右京皇別上「始造長楲、川水灌田」
② せきとめた水の出入り口に設けた戸。開閉させて水を出入させるもの。ひのくち。また、単に水をさえぎるためのしきりの類にもいう。
書紀(720)武烈五年六月(図書寮本訓)「人をして塘(いけ)の楲(ヒ)に伏せ入ら使む」
③ 物の面に設けた細長い溝。
落窪(10C後)二「はひよりて、遣戸の方のひにそへて」
④ (楲) 厠の中にある大小便を受ける器。〔十巻本和名抄(934頃)〕
刀身の背にそった細長い溝。重さを少なくし、血走りをよくするためという。
義経記(室町中か)五「けんひかきて、地はだこころも及ばざるをとり出して」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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