樋殿(読み)ヒドノ

デジタル大辞泉 「樋殿」の意味・読み・例文・類語

ひ‐どの【×樋殿/×楲殿】

便所かわや。
「物脱ぎ散らして急ぎ―へ行きたりけるに」〈今物語

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精選版 日本国語大辞典 「樋殿」の意味・読み・例文・類語

ひ‐どの【樋殿】

〘名〙 便所。かわや。雪隠
御堂関白記‐長和二年(1013)六月三〇日「御樋殿昨日午時顛倒云々」

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世界大百科事典(旧版)内の樋殿の言及

【寝殿造】より

…たとえば《源氏物語》の主人公,光源氏は二条院を居所としていたが,光は寝殿を,妻の紫の上は西の対を生活の場としていた。そして日常生活に必要な樋殿(ひどの)(便所)や湯殿(浴室)などの設備もそれぞれ別個に設けられ,食事さえ別々に行われた。寝殿の内部(母屋)には塗籠(ぬりごめ)と呼ばれる寝室のみが部屋として間仕切られていたが,これもしだいに形骸化し,寝殿の中央近くに置かれた帳台が寝所となった。…

※「樋殿」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」