模合(読み)もやい

山川 日本史小辞典 改訂新版 「模合」の解説

模合
もやい

催合(もやい)とも。労働や利益配分,所有などの場での合同共用・共有の関係を示す語。交換労働としての結(ゆい)と異なり,交換を問題にしない無償の労役提供で,懇意の者の間に行われるほかにも,共同作業・村仕事(モヤイ仕事)がある。地引網などのモヤイ漁,狩猟でのモヤイ狩りなどでは,共同労働とともに漁獲物・獲物の平等分配が行われた。またモヤイヤマ(共有山)などの共用もみられる。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の模合の言及

【講】より

…鍛冶仲間や牧牛飼育者の荒神講,牧馬や牽き馬業者の馬頭観音講,大工など建築業者の太子講,養蚕のオシラ講,漁師仲間の夷(えびす)講,薬種業の神農講などが著名である。 社会的講は地域の共同生活が反映し,相互扶助による契約講,労働力交換のゆい,モヤイ講,年齢別の子供講,若者講,老年講,葬式組の無常講,性別によるカカ(嬶)講,娘講,尼講など,また金品の融通をはかる経済的講は,頼母子(たのもし),無尽(むじん),模合(もやい)などとよばれ,融通する目的の品目により,米頼母子,舟頼母子,馬無尽などとよばれて,それらが生活の大きな支えとなっていた。頼母子無尽【桜井 徳太郎】
[中世の講]
 中世社会の講には大別して宗教的講と経済的講とがある。…

※「模合」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」