権利保護請求権(読み)けんりほごせいきゅうけん(英語表記)Rechtsschutzanspruch

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「権利保護請求権」の意味・わかりやすい解説

権利保護請求権
けんりほごせいきゅうけん
Rechtsschutzanspruch

訴権論の一種民事訴訟において,当事者裁判所に対して自己に有利な勝訴判決を求める権利を有すると考える説である。この説は,19世紀末から 20世紀初頭のドイツにおいて,P.ラーバントらによって唱えられ,現在にいたるまで多くの賛同者を獲得した。

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世界大百科事典(旧版)内の権利保護請求権の言及

【受益権】より

…広い意味での受益権には社会権も含まれるが,後者は社会国家思想を背景として成立した新たな基本権として受益権と区別される。そこで狭義の受益権は各人の利益を満足させる手段としての権利保護請求権ということになる。また,受益権は自由権のように国家以前に存在する人権としての性格を有するものではなく,法律によって具体的内容が定まる権利である。…

【訴訟要件】より

…却下と棄却の判決は,このように内容が異なるけれども,原告が訴えによって求める判決を拒絶されることでは同じである。この点で,原告がその求める判決を取得する権利を権利保護請求権として,それを訴権としたかつての民事訴訟の通説では,棄却と却下の区別がややあいまいとなり,いずれも権利保護請求権が認められない場合ということになる。訴訟判決の場合は,両当事者が裁判所に出廷して口頭によって互いの主張・立証をする口頭弁論は,手続のうえで心ずしも必要ではないとされている。…

※「権利保護請求権」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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