日本大百科全書(ニッポニカ) 「権相老」の意味・わかりやすい解説
権相老
ごんそうろう / クォンサンロ
(1879―1965)
韓国の僧侶(そうりょ)、仏教学者。退耕堂(たいこうどう)と号する。慶尚北道(けいしょうほくどう/キョンサンプクド)醴泉(ほうせん)に生まれる。1896年聞慶の金竜寺で出家、同寺付設の仏教専門講院で仏教学を研究、修了した。その後、慶興学校を振り出しに、おもに仏教系の学校の教師を経て、1911年朝鮮仏教月報社社長に就任、1944年仏教総本山教学編修委員となる。第二次世界大戦後、東国大学校教授、学長および初代総長を務め、1962年同大学校より名誉哲学博士の学位を受けた。さらに同年政府より大韓民国文化勲章が授けられた。その後、現代仏教社社長、中央仏教研究院長、仏教曹渓宗元老院長、仏教思想社社長などを歴任、韓国の仏教界に貢献するところ少なからず、死後、大宗師の法階が贈られた。著書に『朝鮮仏教略史』『朝鮮宗教史』『朝鮮禅教史』『李朝(りちょう)実録仏教鈔本(しょうほん)』『韓国地名沿革考』などがある。
[李 炫 煕 2017年2月16日]