横尾郷(読み)よこおごう

日本歴史地名大系 「横尾郷」の解説

横尾郷
よこおごう

富士下方しもかたのうちの中世の郷。天文二〇年(一五五一)七月一五日付今川義元判物写(臨済寺文書)に「下方横尾郷善得寺領」とみえ、郷内に善得ぜんとく寺領があり、義元は臨済りんざい(現静岡市)に天文二年の検地による増分銭一〇〇貫文・米二五〇俵を寄進している。永禄一二年(一五六九)以後当地は武田氏が領し、元亀四年(一五七三)一〇月一日、勝頼は小浜景隆に兼ねての約束どおり横尾のうち二八八貫九五〇文の地を含め三千貫文の地を与え、水軍の差配を任せている(「武田勝頼判物」小浜文書)。天正七年(一五七九)一〇月一六日、勝頼は用宗もちむね(現静岡市)で徳川家康方と戦って戦死した向井正重の後を継いだ子息向井兵庫助に、横尾のうち四二貫三二〇文などを安堵し、海上奉公を命じている(「武田勝頼判物写」伊勢国度会郡古文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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