富士市(読み)フジシ

デジタル大辞泉 「富士市」の意味・読み・例文・類語

ふじ‐し【富士市】

富士

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本歴史地名大系 「富士市」の解説

富士市
ふじし

面積:二一四・〇九平方キロ

県の東部、東は沼津市・駿東すんとう長泉ながいずみ町・裾野市、西は庵原いはら蒲原かんばら町・富士川ふじかわ町と富士宮市、北端が富士山八合目に達し、北東は駿東郡小山おやま町と御殿場市に接し、南は駿河湾に面する。大部分は富士山南麓および東境にある愛鷹あしたか山南西麓丘陵で、南西部は富士川潤井うるい川の扇状地が広がり、南東部は浮島うきしま沼と称されていた沼沢低地、海浜である。東西を国道一号・東名高速道路が通じ、東名高速道路富士インターチェンジからは富士宮市へ西富士道路が通じる。JR東海道本線・東海道新幹線が走る。東海道本線には東田子浦ひがしたごのうら吉原よしわら・富士の三駅があり、新幹線には新富士駅がある。富士駅からは山梨県の甲府こうふ駅までJR身延みのぶ線が通じ柚木ゆのき竪堀たてぼり入山瀬いりやませ富士根ふじねの四駅がある。また吉原駅より岳南江尾がくなんえのお駅まで岳南鉄道が運行されている。

〔原始・古代〕

愛鷹山麓・富士山麓とも古墳時代後期の小円墳が目につく。これらの小古墳はそれぞれ群集墳を形成していて、愛鷹山麓では中里なかざと須津すど古墳群、船津ふなつ古墳群の二つの古墳群を形成し、一方の富士山麓では比奈ひな古墳群・伝法でんぼう古墳群・石坂いしざか古墳群を形成している。富士山麓の古墳群に比して、愛鷹山麓のほうが規模が大きく、中里・須津古墳群は九一基、船津古墳群は一九〇基以上の小古墳が確認されている。比奈古墳群の範囲内に四世紀末から五世紀初頭と考えられる東坂ひがしざか古墳がある。また伝法古墳群のうちには径五四メートルほどで二段築成の円墳である伊勢塚いせづか古墳がある。中里・須津古墳群には全長約一〇〇メートルの前方後方墳である浅間せんげん古墳がみられ、これを東坂古墳より古いとする意見もあるが、前方後方墳であるという以外は根拠はなさそうである。船津古墳群には五世紀代とされる円墳の薬師塚やくしづか古墳がみられる。田子たごうら砂丘の上には双方中方墳とされる庚申塚こうしんづか古墳と、七世紀代の前方後円墳と考えられるやまかみ古墳がある。また当地域に特徴的な竪穴状の石室をもった八世紀代と推定される終末期の中原なかはら一号墳と同二号墳が知られる。同類の竪穴状石室は富士川町妙見みようけん古墳群や清水しみず町の伏見ふしみ古墳群などからも発見されている。集落遺跡は愛鷹山麓に縄文前期末頃の的場まとば遺跡があり、花弁形の底部の土器や特殊な器形の土器が発見されている。富士山麓では、縄文中期の拠点的遺跡と思える天間沢てんまざわ遺跡があり、住居の多さやとりわけ石斧の多さが注目される。


富士市
ふじし

2008年11月1日:富士市が庵原郡富士川町を編入
【富士市】静岡県
【富士川町】静岡県:庵原郡

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「富士市」の意味・わかりやすい解説

富士〔市〕
ふじ

静岡県東部,駿河湾に臨む市。北端に富士山がそびえ,南西部は富士川の河口に面する。1954年市制。1966年吉原市,鷹岡町と合体。2008年富士川町を編入。中心市街地のうち,吉原地区は江戸時代東海道宿場町。富士地区は江戸時代に開かれた加島新田の純農業地区で,早くから和紙製造が発達していたが,富士山麓の豊かな森林資源と湧水に恵まれ,明治中期に製紙工場が立地。製紙工業都市を形成するほか,電機,自動車,機械,食品,化学,木製品などの工業も行なわれる。吉原地区には人工掘込港の田子ノ浦港があり,岳南工業地域の玄関口をなしている。同地区は工場の増設に伴い,かつては地下水の塩化現象,大気汚染,悪臭,水質汚濁ヘドロによる海岸汚染などの公害が社会問題化した。国指定史跡の浅間古墳日蓮ゆかりの実相寺など旧跡が多く,明治時代の政治家田中光顕別荘として岩淵に建てられた古谿荘(こけいそう)は国の重要文化財に指定されている。市域の一部は富士箱根伊豆国立公園に属する。東海道新幹線,JR東海道本線,身延線,岳南鉄道,国道1号線,139号線,469号線が通り,東名高速道路のインターチェンジがある。面積 244.95km2人口 24万5392(2020)。

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